NOIR
鋭利に纏わり付く其れを呑み干して辿り着いた
眩ゆく魅せられしクラヤミ
words by The C
光という名の闇
感覚の裏返し、非常識
理想の絶望(未来)とは
アップルジャムの過去、現在、未来
全てが集約された楽曲【NOIR】
2019年制作
たぶんこういうの物語シリーズのどこかである気がする
シャフト感
▲trigger
☞既存曲のメロディラインをギターで弾いてインストとしてやってみたらどうか、という意見があり
それでまず既存の76曲を10曲に絞った(当時)
でも既に曲自体が完成されていて、単にメロディをギターで弾くとなると元々のアレンジとの兼ね合いが上手くいかないんじゃないかという懸念があった
腑に落ちないというか、生半可な気持ちで過去のものを再構築するのは曲達にも失礼に値する気がして
アップルジャムの曲はギターでのリードフレーズが多め
ゆえにアンサンブル、ハーモニーに関しても上手くハマるかどうか、そもそもメロディありきで作られたアレンジだったりもして
ただメロディを弾くにしても大工事に成りかねないと思い、それなら新たに1曲作ろうと決めてデモ作りを開始した
▲image
☞どういう展開でどんな雰囲気にしようかというのが全く無く、ギターを手に取って最初に出てきたのが頭のフレーズ
とりあえずそれでBPMが決まってドラムを打ち込んで広げていった感じで
あのスローでダウナーなリズムは構想の段階でループさせていたものをそのまま使ってる
作っている時には完全に無意識で、インストだから成り立つような不協和音をふんだんに使って、、とかは考えてなくて
無意識ゆえに感覚、イメージが無い分脳からの指令は何も無くて
正解も不正解も無い、ただ弾きたいように弾いてそこから繋げるのか終わらせるのかを判断するだけだった
結局仕上がってから暗闇であることに気付いた
暗黒とか漆黒とかそういうのがぴったり当てはまる曲
黒という色には様々な表情があると思う
黒光りしてる場合は凄く鋭利で、繊細で、触れれば互いに傷付きそうな感じだったり
宇宙のようにどこまでも奥行きがある黒さとか、逆に光でさえも飲み込んでしまうようなドロドロとした靄のような感じだったり
▲concept
☞かなり清々しい前向きな闇
昔から【闇】と【病み】をかけているけれど、それがやっと繋がった感がある
なんというか、求めていたものこそが闇だったというか
楽曲解説
BPM=104
ギター=ESP HORIZON Ⅲ
ベース=無し
アンプ=POD HD PRO
チューニング=ドロップD
キー=不明
▲arrangement
☞まずかけ過ぎかと思うくらいドラムのリバーブを強くした
シンプルかつ手数の少ないリズムでも包容感が生まれ楽曲の要となった
結果オーライすぎる
ギターは全編に渡りピックアップはフロントでトーンは0
クリーンのアルペジオの部分はコイルタップしてシングルで
何気無いフレーズでも数トラック使ってて冒頭のギターだけでも4本重ねてる
立体感が出た気がする
これまた結果オーライ
ロングトーンの単音フレーズはオクターブ上を同時に鳴らして、そのあとオクターブ下も同時に鳴らして弾いた
つまり原音自体がユニゾンしてるわけなんだけど、なんかあんな感じ
機械的というか無機質さが欲しくてビブラートはかけず、バンドサウンドを前面に押し出しているにも関わらずあのフレーズはとても生気を感じさせない
後半の単音フレーズの音としては、原音の倍音に近い響きでオクターブ上を足した音をアンプ側で作って弾いた
普段ならバッキングを入れたりエフェクトをかけたりするけど、ギターとドラムのみというセクションになった
その後の不協和音がかなり活きたと思う
ベースが無いのは歪んだ美学
本来そこにあるはずのものがない
バンドという概念を壊した結果
無意識とか言いつついろいろ拘りがあるのは、デモを作っている段階とレコーディングをしている段階では感覚が違うから
自分の中から溢れ出て来た音の塊をどう活かすか、より良く表現するにはどうすべきかをレコーディングで考えて、そこには自分なりの正解や不正解があって判断力も委ねられることになり、つまりは自分で自分をプロデュースしてるということ
▲future(2019年当時)
☞闇にたどり着いたというのは結果的であり、自分にとってはどん底の光の中からようやく闇が見えた、闇に落ち着いたという感じ
見渡しても何も無い
前も後ろも、夢も希望も光も何も
それが凄く絶望的で、そんな絶望を昔から求めていた
ただただ音だけはどこまでも鳴り響く世界
とかなんとか
何故か当時自分で自分にインタビューしたメモがあった
それを加筆修正してみましたよ
結局【NOIR】を作って以降、【エージェントCのテーマ】ができるまでの2年間、この曲を超える曲が書けなかったというのが本音
ストーリー関連
202X年
アップルジャムプロジェクトの企画として
プロジェクトベノムが立案
自らを毒とし人類への感染を試みた結果
組織のトップはクラヤミに呑まれ消息を絶つことなった
〜エージェントCのテーマへ続く〜
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