食品ロスアイデアソンに参加して~変化とは小さな一歩を積み重ねていく事~
どうも、目の前にお菓子があると手を伸ばさずにはいられないゆきちゃんです。
食品ロスアイデアソンに参加してきました。
食品ロスアイデアソンとは、3日間でビジネスプランを考える起業イベントです。
その名の通り、食品ロスをテーマにしてビジネスを考えます。このようなイベントの参加は4年前の1年生の冬に、StartUpWeekend彦根に初めて参加した以来となります。
SW彦根も同じく3日間でビジネスプランを考えるというイベントです。
アイデアを考える事自体は就活の選考の中でやったり日頃イベントに参加した時にやったりはしていたのですが、やはり3日間を通して考え通すというのはそれに向き合う熱量が違いました。答えのない問題を考え続けるのは本当に楽しかったです。
この3日間でほんとうに様々な学びがありました。
それとともに、この3日間の記録として、noteにまとめたいと思います。
1日目 チームビルディング
朝10時に開場し、1チーム大体4,5人で、はじめからメンバーが決まっていました。
あとからくじびきでランダムに決めたと教えてもらったけれど、それでも面白い組み合わせのメンバーになったなと思っています。
自己紹介を済ませて、それぞれが考えるビジネスプランをシェアし合いました。
その中で私が話した、「地球から出たものは地球に返したい」「モノを作る→買うの一方的なやり取りではなくて、なにか循環する仕組みづくりがしたい」という想いにメンバーが共感し、その方向性でビジネスプランを作ることにしました。
そこから情報収集したり考えを話したりして形にしていくのですが、1日目はわくわくが止まりませんでした。
循環型社会(サーキュラーエコノミー)という概念自体この日に知って、「あ、今まで自分がいいなと思っていたことは、こういう言葉で表されていたんだ」という発見や、それを自分も試みようとしている事にとてもわくわくしました。
会場にもアート作品の展示やSDGsに関する本などが展示(販売)してあって、空間自体の居心地もすごく良いものでした。そしてたくさんの美味しいご飯…。
そもそもこのイベントに参加したきっかけは、私の就職先が食品ロスに関係する事業をしている事、運営側に知り合いが沢山居た事でした。食品ロスへの問題意識は特に強いわけではなく、就職先も事業内容というよりは組織の居心地の良さで選んだので、社会課題についての当事者意識はそんなに強くはありませんでした。
提案したビジネスプランも、“循環型社会の担い手を増やす”というミッションを掲げて、何をしたいか考える時も「わくわくする」「楽しそう」を基準として考えました。
「強い問題意識」は私にとってはストレスで、想いが強い事は強い情熱を生むけれども、この社会の現状や自分の無力さにしんどくなりすぎてしまうからです。私はとても感情的な人間なので、強い感情は時には周りにいい影響を与えるけれども、負の方向にも強く傾いてしまいます。
なので「楽しむ」は、私の人生においてブレないモットーです。
1日目でかなりビジネスプランが出来上がり、19時に解散して帰路に付きました。
メンバーはほかに3人居て、みんな穏やかなキャラクターだと思いました。私がトゲのあるキャラクターだったので合わせてくれていたのかもしれません。自分の言動を振り返った時に、私だったらカチンと来たり反論したり衝突を起こすだろうと思うような意思の強さと頑固さ・幼稚さがあったにもかかわらず、円滑なコミュニケーションをとってくれたことを本当にありがたく思っています。
チーム名のロゴとホームページも作り、いち早くプロトタイプを作り上げました。
夜は興奮であまり寝付けず、面白い3日間が始まったなと思っていました。
2日目 プランのブラッシュアップ
朝から、東近江市の「株式会社みんなの奥永源寺」の前川さんにインタビューを行いました。彼は本当に愛に溢れた人で、この1日でできた粗末なビジネスプランの話にも耳を傾けてくれ、「初対面の人にそんな事話していいの?」というとても踏み込んだ内容まで話してくれたり、アイデアや情報を沢山提供してくれたりと、 サステイナブルで優しい考えの持ち主でした。
なかでも、どうしてそこまで親身になってくれるのかと訪ねた時に、「いま、この時だけの即物的なビジネスじゃなくて、この消費と生産が50年、100年続く事がたいせつだから」「そして、そういう社会を作っていくには、自分だけが頑張ってもできることは小さい。でも、1人でもそういう思いを持って社会を変えようとする人が増えれば、社会は変わっていく」というメッセージが心に残っています。この考えこそ私が求めているものだったからです。
メンバー一同、彼の話に勇気づけられ、激励され、やる気に満ち溢れたムードとなりました。
その後インタビューに行く予定が、昼すぎに受けたコーチングで重大な指摘を受け、一旦プランの修正を迫られました。朝に士気が上がり、これは行ける、頑張っていこう!と思っていて、このビジネスプランが本当に良いものだと強く思っていたので、強い衝撃を受けました。
当然モチベーションが急降下して「わくわくしない…」と新しいアイデアを考えようとしていました。状況の硬直を前にしたゆーだいさんに、「とりあえずすべてがだめになったわけじゃないから、一旦少し修正して案を固めていこう」と提案され、しぶしぶ進める事にしました。
私の態度には正直ムカついたと思いますが、理性的に対処してくれたことを本当に感謝しているし、尊敬しています。その前後でも詰めが甘い所につっこんでくれたり、数字の計算などのまどろっこしい所にも積極的に取り組んでくれたりと、縁の下の力持ちってこういう人の事を言うんだろうなと思いました。
山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』という本では、ビジネスにおいて、アートとクラフトとサイエンスの3つのバランスが重要だと書かれていました。(詳しくは調べるか読むかしてください。)
私はかなりアートよりの人間なのですが、こういう気が利く事をできないので、なるほどバランスとはこういうことかと思ったし(自分を正当化しているみたいですが反省しています)、本当にすごいと思います。アート寄りの人間がこういう気づかいや折衝が出来ないと言っているのではなく、没頭しすぎてしまうからこそ、不注意になる側面があるということです。
メンバーには他にミヤさんとゆうたの2人が居て、ミヤさんはとにかく素直な印象を受けました。初日、ミヤさん以外の3人がビジネスプランについての話を進めている時に、「ゆきちゃんの言ってる事があんまり分からない」と正直に伝えてくれました。話を進めている所だったので、私はけっこうツンっと対応してしまったのですが、それでも「ああそういうことね」と素直に受け取ってくださり、その後ツンっとし返されることもなく議論に参加してくださり、ここでもこのチームのメンバーの懐の広さを感じました。
ゆうたはイベント参加者の中で最年少ということもあって、目立つ存在だったのですがこちらもめちゃめちゃ素直で、事あるごとに「すげー」「確かに」「なるほど!」と知らない事や共感する事を受け止めていたのが素晴らしいなと思いました。自分の考えを正直に伝えてくれるところも、今考えている事は何か、と全員の理解を深めるために必要でした。
また吸収しようとする力がすごく、柔軟な所はこれから彼の能力や素質をどんどん伸ばしていくんだろうな、とわくわくしました。
3日目 プレゼン
最終日は私とミヤさんの2人で取り組みました。
とりあえず発表に向けて足りない所は何かを洗い出し、提供できる価値は何かを挙げ、インタビューを行ったりしました。発表の際の評価項目では①プロトタイプが出来ている②インタビューが出来ている③実現可能性があるの3つがあったため、アンケートは必須でした。アンケートではミヤさんが大活躍してくれて、数はもちろんのこと、かなり良い結果を得られることが出来ました。
ミヤさんはイベント中「私にできる事なんて」とか何度も言っていたけれど、ほかのメンバーやった事をすごいすごいと褒めてくれたり、何ができるかを主体的に行動するところはチームの士気を十分に上げたと思うし、そういうムードメーカーな人が担う役割はすごく大きいと思っています。何よりポジティブで前向きで、知らない事を知った時に「勉強になった~!」と素直に受け止める姿はだれにでも愛される素敵な人だと思いました。
そんなこんなで発表資料を作り、プレゼンに挑みました。
くじびきで順番を決め、3番目になりました。ゆーだいさんとゆうたがギリギリ間に合うということで、プレゼンの時間にはメンバー全員揃うことが出来ました。
前の2チームの発表は、どれも面白くて、一生懸命アイデアを出して形にしたんだろうなというのが伝わってきました。でも、ぜったいうちのチームの方が考え抜いて調べぬいている、という自信がありました。客観的に見てそうだと言えると思ってます。法律の事や申請のこと、お金のことなど。ほんとうに沢山検討して、調べてくれました。
大切なのは勝ち負けではないとは本当に思っていますが、「でもうちが1番だもん」と思ってしまうところは、負けず嫌いなんでしょうね。笑
発表は当日2人抜けていたこともあり、私1人で喋ることにしていました。3,4回練習していたので大丈夫だろうと思っていましたが、久々に人前に立ってプレゼンをするとなるとやはり初めは声と手が震えました笑
ちゃんと言いたいことは言えて、発表後に新聞社の方にインタビューされたこともあって「これはもう優勝でしょ」と思っていたのですが、優勝には別のチームが選ばれました。
正直、はじめに話していた3つの審査基準、ほかのチームはクリアできてないじゃん、うちは時間をかけてちゃんとやったのに!とムカついたのですが、大事なのは勝ち負けではありません。悔しいけど!
「選ばれたチームが食品ロスを1番減らせると思う」という理由で選ばれたのを聞いたときは多少腑に落ちましたが、食品ロスの再生産に繋がる可能性もあるじゃないの、もっとよく考えてくれよと反論も芽生えました。
大事なのは、勝ち負けじゃない・・・けど、考え抜いた案が選ばれなかった理由に納得はしてない。これは負け惜しみでしょうか?納得がいかない事は、徹底的に追求したいと思ってしまうので、自分で自分を納得するよう説得するしかないんですが。
あと1つ言いたいことをここで書かせてもらうと、TAKE側とGIVE側が明確に決まっている限り、そのビジネスは即物的なものになりえます。持続可能性があること、生産者も消費者も一緒になって経済を共創していく仕組みが評価されなかったことは残念でなりません。伝え方が悪かったのかもしれませんけど。
書いたらスッキリしたのでもうこれでジャッジへの物申しは終わりにします。
そのあと予定を入れていたので懇親会に1時間ほど参加してスタコラ帰りましたが、私はこの出会いをどうでもいいと思っているのではなく、むしろこれからもご縁があると思っているので、特に別れを惜しむ気持ち(タイミング)ではない、といった心境です。
ここまで3日間を振り返って出来事や所感を書き連ねてきましたが、これからこの3日間で得られた学びをまとめて書きます。
この3日間で得た学び
・私は未熟である
感情のコントロールができないという点において、本当に成長が出来ていません。先にあげたジャッジへの意見でもそうですが、”大人”な対応が出来ません。
要所要所ではできていても、基本的に感情に素直だしそれによって人が受ける影響のことをあまり考慮できません。こんなに日々気を付けたいと思っていて、人を見習おうとしているのに出来ないとは、なぜなのか。
たぶんそのままでいい所あると思ってるんですよね、1回大きな失敗でもしたらいいと思います。
・どんどん見つかる滋賀県の面白さ
今回の会場であるfuture labもそうですし、インタビューさせていただいた前川さんやそのほかの活動、市の職員の方、取り組み、知人などなど・・・。彦根に5年いたはずが、まだまだ見つかる面白い人やコトに、すごくわくわくしました。私が高校3年生で地元を出るために1人で飛び込むことを選んだ場所、めっちゃいいとこやったよ!
・循環型社会(サーキュラーエコノミー)という概念を知る
前述したように、こういう仕組み好きなんよな~、とふわっと思っていたことの輪郭がくっきりとなり、またそういう社会を作るような活動を全力でしている人と出会ったりと、まだまだ人生って捨てたもんじゃないなあと思いました。ありがとうございます。
・社会人になるモチベーションがアップした
正直ずっと学生で居たいです。貧乏なゆきちゃんにとって、決まった額が毎月もらえることが1番のモチベーションだったわけですが、このイベントに参加したことによって「うちの会社がやってる事業ってめっちゃ先進的で自分が理想とする社会を作ろうとしてるやん!」とそれに追いつくくらいのモチベーションが湧きました。
非日常で日常をアップデートするために、
この3日間は日常か非日常かと言われると非日常に分類されます。
「非日常は日常をアップデートするためにある」
この考えにすごく共感したはいいけど、じゃあ具体的にアップデートって何を指すのだろうと考えました。
明確な答えが出たわけじゃないけど、いま私にできることは、この体験をその時だけの「あーよかった!」で済ませるんじゃなくて、「学んだことを言語化することでこれからの人生で活かしていく」事ができるんじゃないかと思って、いま、noteを書いています。
実際に、非日常の余韻を長く引きずる傾向があって、日常が嫌になったりおろそかになる気質があるので、1度アウトプットして外部化するという作業は、非日常を日常に切り替えるという点では、とても有効に働いています。
プロトタイプのホームぺージを作るときに、
と書きました。この文章を書いている時、自分に対しても発されているなと思っていました。
その気持ちを忘れずに、これから社会に出ようと思います。
参加してよかったです。
それでは。