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力への意思と唯一者
シュティルナーが言う唯一者は、人間の条件づけを拒否する姿勢を示しており、
ニーチェの述べた力への意志にも、ロゴスによる覇権的な性質を跳ね飛ばそうという姿勢が含まれている。
その性質とは、人間の条件づけだ。
それらが不明瞭である原因の一つは彼らがヨーロッパの人間だったからであり、それは言わば、欧州の呪いを打ち明ける立場を意味し、
主張が分離できたのは、ロゴスが覇権的に用いられる際に、『拒否したあなたには理性がない』式に立ち上がる、人間の条件の可否が歴史に属した一組の副次的な現象であるにもかかわらず、実際の文の外にあるからだろう。
また、唯一者に内容だけがあり、力への意思がほぼ前置きのように語られながら、共に明瞭な方法論が不在なのは、
存在を規定する努力目標的な方法論そのものが、彼らにとっては襲来する性質をもっているためだ。
したがって、彼らの提示した概念を、ヨーロッパの中のロゴスの運用に対する拒否反応としてみた場合、
シュティルナーはその目的に対する、対抗姿勢の誇示、ニーチェはそれを動機ごと包合し、隔絶の意志を示したと言える。