スマホアプリ開発との違い

デジタル領域で新規事業を作ろうとすると「アプリ的なもの」が必要になります。
弊社はiPhoneアプリの開発を主業務として創業しましたが、徐々にアプリ開発を提案(営業)しにくくなりました。新しくアプリを作ってもインストールしてくれないからです。開発費がどうしても高くなり、新規事業を始める時点で既に数百万、場合によっては2000万3000万の負債を背負うところからスタートするからです。
また、toCであればスマホで良いのですが、企業に向けたサービスの場合、PCで操作するwebアプリが主流になっていったこともあります。

さて、新規事業でスマホアプリ(iOSとAndroid)を作ろうとすると開発費はどれくらいでしょうか?当然、内容や組織規模(法人かフリーランスかオフショアか等)によって変動幅は大きく、相場というのはあってないようなものですが、弊社の場合で一例を出すと↓
(案件の特定を防ぐため少しぼかして書きます)
飲食店と契約企業の社員をマッチングする社食サービスは、アプリ部分(フロント側)だけで300万円程度でした。このケースでは、バックエンドと呼ばれるデータベースや管理画面の開発は行わず、データを受け取るAPIなどもクライアント企業のエンジニアさんが対応したので上記の金額でしたが、仮にそこも請け負った場合、プラス150〜200万円程度、更にwebブラウザでも動作するようにした場合、フロント側が追加されプラス100万円程度、結果、ゼロベースで新しいスマホアプリを開発しようとすると、「少なくとも」700〜800万円程度はかかると考えて差し支えないです。
では仮に、同じ仕様をスマホアプリではなくLINE上に実装した場合、どうなるでしょうか。ざっくり半額、場合によってはもう少し落ちます。実際、弊社で開発する案件のボリュームゾーンは200万円〜300万円台が多いです。

理由はいくつかありますが、まずは異なるOSに対応する必要がないです。UIが固定されているのでデザインやワイヤーを引かなくて良いということもあります。LINEを活かすのでチャット機能やプッシュ通知は開発不要ですし、Apple Storeへの申請もなく保守しやすいです。
開発環境の構築やその配布方法もLINEは簡単です。複製が用意に出来ますから。決済手数料の低さも魅力です。アプリ内課金は20%〜30%程度ですが、外部の決済サービスを導入出来るので手数料は3%台です。

新規事業、特にアプリビジネスというのは本当に分かりません。もっと言えば、ほとんどうまくいきません。なぜなら、それらを広告宣伝するコストを捻出出来ず、開発して終わるからです。従って、起案時に考えることは、とにかく設備投資にかかるコストを下げ、ビジネスサイドに予算を回すことです。
お金かけず、最低限の動くプロトタイプを顧客候補に見せ、フィードバックをもらい改善する、それをひたすらグルグル回す。これが出来れば成功確度は大幅に向上するはず。

以上、新規事業はLINEで、を強くお勧めします。

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