おいしかった朝ごはんなのに、どんな味だったのかが思い出せない
朝食は食べない方も多いでしょうか。
わたしは夕食をかなり少なめにして、朝食はしっかり食べる派です。
一日の中でも、特に楽しみにしている朝ごはん。
いつも1日のスケジュールを確認したり、やることを洗い出したり、本を読んだりしながらのんびりとっていました。
それがとても好きな時間でもあるし、リラックスできるのですが、味を思い出せないなと、あるとき思いました。パンを食べてもどんな味だったかが説明できないなあって。何を食べても「おいしかった」で終わり。
スケジュール確認をしたり本を読みながら食べていると、味よりも考え事に集中してしまいます。あれをああして、この時間にこれをやって、と。
その結果、脳内が”未来”のことでフル回転になってしまって、”今現在”の朝ごはんの味が意識できなくなっていることに気づいたのです。
その「今ここにいない感覚」が、食事のみならず、暮らしの満足度も下げることにつながっていました。
「あー!おいしかった!ごちそうさま!」
で、どんな味だったっけ?と一生懸命振り返ってみても「おいしかった」しかやっぱり感想が出てきません。
もっとあったはずなんです。
焼きたてパンの香りに幸せを感じたとか、きょうのホットサンドのチーズはもう少し温めたほうがとろけ具合が増しておいしいかもとか、フルーツがみずみずしくて酸味もちょうどよくて体が元気になりそうとか。
記憶にしっかりと焼きつけるようにありがたく頂けば、いろいろなことを感じるはずなのに、何かをしながらの「ながら食べ」だと、食事が単なるエネルギー補給になってしまいます。
その「ながら食べ」を続けていたために、満足感や幸せ感、感謝の気持ちを感じるチャンスを毎食失い、機械のように「おいしかった」しか言えなくなってしまっていた。
そんな状態に危機感を感じました。
なので早速、食事のしかたを変えてみることにしました。
本は読まず、スケジュールは前日のうちに確認しておき、心地のよい音楽をかけて、五感をすべて使って食べることに集中します。あえてキャンプ用のいすとサイドテーブルを出して、窓の近くで空を見ながら頂くことに。
不思議ですが、食べることに集中すると時間の経過が遅く感じます。
いつもあっという間に過ぎる朝食の30分がとても濃密になり、幸福感も満足感も格段に上がります。
ちょっとしたことですが、こんなマイナーチェンジを重ねていくことで、日々の生活がカラフルになる。
断食をしていたときに思ったことですが、一日の中で食事の時間ってトータルするとかなり長いんですよね。食事の時間がないとぐんと時間が増えてびっくりした記憶があります。
少なくない時間だからこそ、五感をフルにして濃密な時間として過ごしたいです。
「おいしかった」を脱却したら、どんな景色が見えるだろう。
朝が楽しみって幸せなことだ。