貝合わせの写真を撮りに行く
投稿型WEB小説サイトで平安時代を書いている私はふと思いました。
貝合わせの貝の本物が見たいと。
まあ、貝合わせのシーンって言っても実際に勝負し合うわけですらなくて、貝殻とそれを入れる貝桶の描写がちょろっとあるだけなんですけど。
でも触って感触を確かめたい。遊びたい。本物を見てみたい。本物を描写したい。
岸部露伴かよ!
なおこの後最寄りの映画館で「岸部露伴ルーヴルへ行く」は観ました。
古き良き胡乱な怪奇映画が令和の新しい味わいでめっちゃくちゃ楽しかったです!!(意味不明感想文)
そこでやってきました三重県明和町のいつきのみや歴史体験館。
平安時代のいろんな遊びや装束を体験することができます。
そういえば貝合わせってなんやねんって話ですが、簡単にいえば貝殻を使った神経衰弱になります。
最近はえっちな用語……あ、小学生さんも検索するかもしれないからもうやめよっかこんな話題。
とにかく貝合わせ(正確には貝覆いと言います)とは雅な神経衰弱のような遊びになります。
貝合わせのハマグリと、その貝を収納する貝桶の写真はこんな感じです。
貝桶(奥の六角柱の漆器)、思てたより割とデカい。
貝合わせってもともとは美しい貝を探してきて誰の持ってきた貝が一番美しいかデュエルする遊びだったようです。
それがコレクションした美しい貝そのものでする神経衰弱的な遊びになっていくとこれは「貝覆い」と呼ばれます。
遊び方はマジで神経衰弱ですね。
二枚貝ってふたつに割って組み替えても、同じ貝同志しかぴったり重ならないんですって。
そこで内側に一対の絵(または同じシーンやテーマを描いた絵)を描いて、運命のバディを探す遊びになっていきます。
では実際にこの貝で神経衰弱をして遊んでみましょう(実際に遊んでOKですやったね!)
赤い布の上に裏返した貝を円形に並べた状態からスタート。
見て見てこのつやっつやの貝殻! 手触りもすべっすべ! 大きさはちょうど指を除いた手のひらサイズくらいかな。
ただしこの貝の裏側には数字が書いてあるだけ。
小説のほうでは細かな源氏物語絵巻が描いてあると描写してある通り、貝の内側に描かれた美しい絵も貝合わせの楽しみのひとつであります。
……けど、そりゃ自由に遊んでくださいって置いてあるものにそんなん怖くて置けんわな……。
遊ぶほうもそんなんポンと置いてあったら震えるわ。
※と思ってたらすみません、今ホームページ調べたら源氏物語絵巻の書かれた貝は貝桶の中に入っていると書いてありました!!
というわけでうっかりしてて、肝心の目的だった「うわー! 貝の内側にこんな精巧な源氏物語絵が!」の確認はできなかったんですが、
貝合わせを含めた平安時代のいろんなゲームのルールが詳細に書かれたプリントを無料で持ち帰れるのでめっちゃ助かりました。
なおこの写真に一緒に写ってるオセロみたいなゲームは盤双六(ばんすごろく)といいます。
こちらはさらに遊び方が複雑なんですが、これもまたプリントで初級から上級に分けて詳細に説明されてます。
合計三枚! 丁寧!
貝合わせや盤双六などの平安の遊びを書籍で調べようとしてもここまでの詳細でわかりやすいルールブックはないと思います。めちゃくちゃ助かります。ありがとうございます!
(なおスタッフの方に教えていただいて実際に遊ぶこともできます)
貝合わせや盤双六の隣にはなんと! 無料で試着して撮影できる小袿があって楽しかったです。
信じられるか……これ綺麗な有職紋してるだろ……みんな無料なんだぜ……。
しかも歴史体験館の建物は本格的な寝殿造りで、背景は本物の几帳! ロケーション最高か!
このとき他のお客様がいなかったので迷惑にもめちゃくちゃいろいろたくさん写真を撮ってしまったのですが、そっとしておいていただけて助かりました……。
ただし私服の上から羽織ることになっているので、私は白のVネックに紫のガウチョを着て行きました。私は用意周到なのよ(緑川ルリ子)。
なお予約すれば本格的な十二単や直衣、お子様の水干や汗衫なども体験できますのでぜひぜひ!(有料だけど装束体験としてはめっちゃ安いのです。特にお子様の!)
体験再開したばかりだし、一日一名だけなので予約が結構激戦ではありますが!
私も次はちゃんと予約して着てみたいな。
なお自分で時代装束を持っていて撮影場所だけお借りしたい方は、ときどきコスプレイベントなどもしているようです(いや何その限られた需要は)(いや普通の?コスプレでもオススメですが)