「ＦＸスキャルピング詐欺商材の作り方」

時々、口座を開設してすぐにスキャルピングで口座が強制閉鎖される顧客が現れます。しかも決まって数人同時に見つかります。さらに複数のＦＸ会社で同様の手口が発覚する。（この情報はカバー先の銀行から入ってきます。）

すぐに口座を閉鎖されるとわかっているのに、なぜこんなことをするのか？
商材のコンテンツのためとだと考えればつじつまが合います。
・マーケットインパクトで相場を動かして絶対に勝つ。
・その取引を動画に残せば勝っている瞬間が記録され、商材のコンテンツとなる。
しかしこれは明らかなルール違反、見つかれば確実に口座が凍結されます。
手口は以下の通りです。

①スプレッドが狭く取引が薄い東京時間12時から14時あたりを狙う
東京時間は仲値を過ぎると徐々に取引が薄くなり、午後のロンドンが入ってくるまでの時間は取引量が減って動かない傾向があります。
②MAXのロットで連打する。さらに複数の人間で同時に行う
MAXのロットは業者によって異なりますが（1M,2Mなど）、合計10Mくらい連打します。
③業者も銀行もカバーに行くので、マーケットが動く
マリーのルールはFX会社によって異なりますが、一定のロット（1Mなど）以上はすべて即カバーが一般的です。
「マリーする顧客と即カバーする顧客をわける」という運用もありますが、顧客の取引実績から判断するので新規顧客の一定ロット以上のフローは即カバーします。
④動いたらすぐに利食う。業者も銀行もカバー負けする
この時間帯は取引が少ないのでフローが出た瞬間は動きます。業者はカバー負け、銀行もインターバンクでカバーすればカバー負け、握れば自動首吊りです。
⑤強制口座閉鎖
為替市場は相対取引なので、顧客（の信用力）と取引金額によってプライス（スプレッド）が異なる、これが当然のルールです。
FXは、取引約款に同意した顧客にのみすべてどう条件でサービスを行います。したがって顧客によって異なるプライス（スプレッド）を提示するのは業者側のルール違反となります。
一方、顧客側は約款に同意しているため、取引金額の上限が決まっています。それを超える取引を行うのはルール違反で、強制口座閉鎖になります。

この手口に多くの人が騙されます。
業者間アービトラージ等のズルい（？）手法でさんざん稼ぎ「ＦＸで相場を張って儲かるはずがない」と確信しているＡさんもその一人です。
この種類の動画を見せられて「スキャルピングで絶対に勝つ方法探しています」と相談してきたことがあります。
この手口を説明したところ「まさにこれです。やはりまともに相場を張っても儲かりませんね」と納得していました。
そして続けました。「業者はのむと思っていたので、顧客のフローでマーケットインパクトが起こせるとは思っていませんでした」

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