AP

元FX会社2社の執行役員/セールスダイレクター、現在は医療コンサルタント。 外資系銀行ディーリングルームでディーラー、機関投資家セールス、その後のFX会社を含め25年以上為替市場に関わってきました。 実際に多くの勝ち組トレーダーに直接会った経験があり、顧客動向も分析していました。

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元FX会社2社の執行役員/セールスダイレクター、現在は医療コンサルタント。 外資系銀行ディーリングルームでディーラー、機関投資家セールス、その後のFX会社を含め25年以上為替市場に関わってきました。 実際に多くの勝ち組トレーダーに直接会った経験があり、顧客動向も分析していました。

最近の記事

「株の暴落」と「ドル円の暴落」は全然意味が違う

久々にグローバルの株式とドル円がすごい売られ方をしています。 マーケット関連の記事には「ドル円の暴落により株価が暴落」とか「株価の暴落によりドル円が暴落」とか、相変わらずの無責任なフレーズが並んでします。 確かにここ数年ドル円も米国や日本の株もともに右肩上がりという状況が続いていたので、値動きには強い相関がありました。 あらゆる金融商品の組み合わせに対して言えることですが、相関関係はある時とない時があります。過去の値動きを知っているなら、現状のドル円と株式の相関関係はどこかの

    • 日銀レポートに見るFX個人投資家の進化?

      日本銀行のウェブサイトには様々なリサーチペーパーが掲載されていますが、個人投資家を取り上げたものは限られています。 1年近く前の2023年6月に「2022年を中心とした最近の個人FX取引」と題された日銀レビューが掲載されていました。日銀がFXの個人投資家動向を取り上げたレポートは2018年以来5年ぶりとなります。 個人投資家による外国為替証拠金取引(いわゆる個人FX取引)は、2022 年に過去最高を記録し、年間取引高が初めて1京円を超えた。~こんな書き出しで始まる、本レポー

      • 「FXの意味のない記事」をAIが簡単に増殖する

        「3日間のスキャルピング練習でFXで初めて勝利を手に入れた私のストーリー」 こんにちは、FXトレーダーの皆さん。私は長い間、FX取引で勝利を手に入れることができませんでした。3年間もの間、様々な戦略やアプローチを試してみましたが、なかなか成功に結びつきませんでした。しかし、最近、私が行った3日間のスキャルピングの練習が、私にとっての転機となりました。 長期的なポジションを持つ取引や、トレンドフォローの戦略など、様々な方法を試してきましたが、どれも私には合わないようでした。

        • 介入観測はあと1か月観測のまま/日銀の介入はすべて覆面介入

          4月29日のドル円の160円台から154台への急落の動きを受けて、メディアには「介入観測」や「覆面介入」という言葉が飛び交っています。 そもそも介入自体、実施されない時は何年も行われないので、メディアの記者さんの中には明らかに「よくわからないまま」記事を書いている人がいるようです。 そこで今回は「為替介入に関する正しい知識」をお伝えします。 実際に介入が行われたかどうかが正式に明らかになるのは、月末です。 財務省のウェブサイトの「外国為替平衡操作の実施状況」というページで

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          「あなたのEAは本当に大丈夫?」 開発者編

          「苦労して身につけたプログラミングのスキルをお金に換えたい!」そう考えた時に真っ先に浮かぶ方法の一つがFXのEAの開発かもしれません。お金がかかれば、人間は本気になるものです。寝る時間も食べる時間も惜しんで、コードを書いて、動かして、検証して、チューニングをして…一日があっという間に終わります。そんな日々を繰り返すとどうなるか? 確実にプログラミングのスキルが上がります。 私が在籍していたFX会社の一つはIT大手のグループ会社でした。機会が合って親会社の若いプログラマーと話

          「あなたのEAは本当に大丈夫?」 開発者編

          「あなたのEAは本当に大丈夫?」 初心者編

          副業のつもりでFXの自動売買ソフト(EA)を買ったものの上手くいかない! そんな個人投資家が日本にはどれくらいいるのでしょうか? 「FXは9割が負ける」と言われますが、EAを使っても結果は一緒です。 なぜなら、「自動売買」という言葉の通り「自動」で「売買」するだけで、勝つためのロジックがまったく入っていない粗悪なEAがあまりにも多いからです。 今回はEAの初心者向けに説明します。 為替市場で確実に勝ち続ける方法が2つあります。 1つは、大量の買いが出る直前に買う、あるいは

          「あなたのEAは本当に大丈夫?」 初心者編

          為替ディーラーにはない、FX個人投資家のメリット

          勝てるトレーダーの現実 新しい年を迎え、ネットを見ると、「年明けから連勝中」と毎日の収支をあげているトレーダーがたくさんいます。 毎日トレードすれば利益も大きくなる。そう信じる個人投資家は多いですが、本当でしょうか。 FX会社で顧客トレードを見ると、実際に毎日トレードして、数か月で数千万円の利益をあげる個人投資家は珍しくありません。ところが、ここからが大事なポイントですが…、それだけ大きな利益をあげられるトレーダーのほぼすべてが、その利益を全部吹っ飛ばしてマイナスに転じる

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          FX自動売買(EA)と裁量の最高のマッチング

          「100%自動売買でいくか、裁量を併用した方がいいか?」 FXの自動売買(EA)を開発していると必ずぶち当たる壁です。 EA開発のスキルがある人なら、基本は裁量なし/100%EAで取引したいと願います。 裁量を併用するかしないかは、突き詰めればそれぞれの経験に基づいた「リスク許容度」にかかっているようです。 EA開発に真摯に取り組んでいる人なら、EAはフィッティングでしかないことに気がついています。 過去の一定期間(1年、3年、5年など)の値動きをベースにバックテストをした

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          FXにも有効なバフェットの2つのルールと、カモから巻き上げろ

          投資の神様ウォーレン・バフェットの有名な2つのルール 「ルール1:絶対に損をするな」 「ルール2:ルール1を絶対に守れ」 これができたら苦労はしない…、誰もが思います。 でも、「オマハの賢人」ウォーレン・バフェットは、おそらくこのルールを何十年も守っているのではないでしょうか? そのヒントとなるのはバフェット語録の中の次の言葉です。 「ポーカーを30分やって、まだ誰がカモだかわからなければ、あなたがカモだ」 ポーカーの名人は参加者の中のカモから巻き上げることを考えます。

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          FXでは負けるトレードの逆をやっても負ける

          FXの自動売買(EA)の開発をしている個人投資家の方から、こんな質問をよくいただきました。 「勝てるロジックがなかなか見つかりません。バックテストで上手く行っていたものでも実際に動かすと勝てないんです。あまりにも勝てないから、エントリーを逆にして買いサインが出た時は売り、売りサインが出た時は買いをやってみましたがやはり勝てません…、どうしてでしょう?」 勝てるロジックを作るのは難しいですが、都合よく負けてくれるロジックを作るのもとても難しいです。 もし負けるロジックを作れる

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          FX必勝法教えます ただし個人投資家不可

          為替市場の必勝法は意外な場所に記載されています。 東京外国為替市場委員会のコード・オブ・コンダクト「グローバル外為行動規範 2021年7月仮訳」51ページ以降に、「付属書 1:具体的な例示」として取引執行の具体例の記述があります。 メッセージは大きく分けて4種類です。 銀行に対して ①自分の利益を優先して、顧客に不利な約定をしないでください ②顧客の取引情報を漏らさないでください 顧客に対して ③銀行や他の市場参加者が必ず不利になるような取引をしないでください ④(顧客の立

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          「FXスキャルピング詐欺商材の作り方」

          時々、口座を開設してすぐにスキャルピングで口座が強制閉鎖される顧客が現れます。しかも決まって数人同時に見つかります。さらに複数のFX会社で同様の手口が発覚する。(この情報はカバー先の銀行から入ってきます。) すぐに口座を閉鎖されるとわかっているのに、なぜこんなことをするのか? 商材のコンテンツのためとだと考えればつじつまが合います。 ・マーケットインパクトで相場を動かして絶対に勝つ。 ・その取引を動画に残せば勝っている瞬間が記録され、商材のコンテンツとなる。 しかしこれは明

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          FXの休眠口座が1000万口座越え!

          FXの口座数がどのくらいあるかご存じでしょうか? 一般社団法人金融先物取引協会のサイトに四半期データがあります。 最新のデータは2023年度第1四半期(4-6月)のものです。 顧客口座数は1000万口座をすでに超え、現在約1097万口座。 一方で取引実勢口座数は約79万口座、つまり休眠口座が1000万口座もあります! 。 顧客口座数は毎期着実に伸びています。 一方、取引実勢口座数は、新型コロナの発生で市場が大きく荒れた2019年度第4四半期に過去最高(87万口座)を記録した

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          エコノミストの相場見通しは当たらなくていい

          「エコノミストの相場見通しって全然当たらないよね! 個人投資家の中には、勝ち誇ったかのようにこんな発言をする方がいます。 確かにエコノミストやストラテジストと呼ばれる人の予測は当たりません。でも、それでいいんです。 エコノミストの仕事は相場の予想屋ではないし、今までの見通しが当たったか外れたかで評価が変わるわけでもありません。 為替相場は銀行や証券会社のエコノミストでさえ正しく見通すことができません それなのに、なぜそんな難しい場所で簡単に利益を上げられると思うのか? そ

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          FXの個人投資家に「メンタルの強さ」はいらない!

          「自分はFXのプロの投資家です」と名乗る人がネットには少なくありませんが、個人投資家とプロの投資家はどこが違うのでしょうか? ざっくり言えば、自分のお金で相場を張るのが個人投資家、他人のお金で相場を張るのがプロの投資家です。 自分のお金で相場を張っている限り決してプロではありません。 具体的には個人投資家とプロの投資家では、扱う金額が違います。当然、ポジションンのサイズも桁が違います。 FXの個人投資家で、100万通貨単位という大きなポジションでトレードする人は圧倒的少数

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          FX会社の元執行役員が教える「デモ口座の正しい利用法」

          FX会社の多くは、無料で使えるデモ口座を用意しています。 一番の目的は、お客様に取引ツールに慣れてもらうことです。わからないことはコールセンターに質問してOKです。会社もお客様からいただくフィードバックをとても大切にします。 ただし、 です。 注文を出すときに間違いない程度にツールを使いこなせれば十分です。 「デモでは上手く行っても、本番のトレードでは失敗したら自分のお金を失う。成功するためにはメンタルの強さが重要になる」などといった類の文章をよく目にします。 そのためデモ

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