オレンジと青の分断3〜「はて?」からの勝手連の動き

さて、投票日当日は、眠れず、食欲もなくなり、数分おきに投票率を気にして涙ぐみ、「お前は身内か」だの「一有権者でいることすら重荷やな」だの言われまくっていた私だが、もちろん最初からこの熱量だったわけではない。
ここら辺の熱量および、周囲の人の反応の変化についても時系列に沿って確認していきたい。

時系列に沿って整理するための表

私の周りで最初に話題に上がったのが、エステシャンのCちゃんのところに客として行った時。「なんかパワハラあったらしいで」「え〜ほんまか〜」そんな会話だったと記憶しているが、それを何気なく幼馴染のKちゃんに伝えたのが発端だった。「あんた、知事選挙どうする?パワハラ知事いややな」から、「えらいこっちゃ、斉藤さんを当選させないと大変なことになる」になるまでわずか1日しかかからなかったと記憶している。
Kちゃんは声が大きい方ではないが、調べ始めたらドツボにハマるタイプ。ドツボにハマりかけたところでReHacQの討論会を見て決定的だったようだ。毎日長文のLINEが届くようになったのがこの頃。
また、同じ日に、手を骨折したばかりの母が夜遅くに父と連れ立って出陣式に行ったので私の中で「はて?」が最大化した。
こうなると凝り性の私は止められない。掘って掘って掘りまくる。掘るうちに出てくる気持ちは「斉藤さんごめんなさい」である。物的証拠がない噂話で色眼鏡で見てしまったこと、恩師の偲ぶ会に出席された時に「よくくるなあ〜」と感じてしまったこと、県議会で起こっていることに興味も持たず報道に疑問を持たなかったこと。

だがこの段階では「政治の話は人にしてはならぬ」と、一部の人以外とはこの話をしていなかった。
それが、「後方からの広報活動」をモットーに積極的に拡散し始めたのは、11/6の街頭演説会である。大まかな流れを頭に入れた上で会場に駆けつけると、めちゃくちゃ寒い日だったのに、あんな田舎の歩道によくもこれだけの人が…というほどの人が駆けつけていて、握手のための行列に並ぶのを諦めるほどだった。
そして、初めて、生で喋る彼を見て私が抱いた思いは「ごめんなさい」と同時に「この人クソ真面目で口下手やん!」というハラハラする気持ち。
冗談の一つでも言えればいいのに、実直に政策と実績を語る姿に、「そりゃあこんなにクソ真面目で口数少なかったら、誤解する人出てくるよ…」「誰かがクッションになって支えてあげないと」という謎の親心みたいなものが芽生えてしまったのだからどうしようもない。
あれだけのバッシングを受けながら、愚痴一つ言わず、こんな寒い日に愚直に街頭演説してるのか…て思うと涙が出るし、そんな人が周りに多かったように思う。
この不器用な姿と、「ごめんなさい」の気持ちが掛け合わさり、「俺たちが斉藤さんの政策を補完して伝えてあげなければ!」のスイッチが入ったのではないだろうか。少なくとも私とKちゃんはそうだ。

その数日前に、ジムのマスターTさんと「誰に入れる?」「誰にも入れたくないね〜」と話していたのだが、この演説会の後「先日の会話、前言撤回する。斉藤さんに入れよう」という話をすぐにした。
また、数週間前に「ほんまにパワハラあったらしいで〜」「え〜いややな〜」と話していた友人のCちゃんにも同じようなタイミングで話を振った。
TさんもCちゃんもちょうど同時期に私以外の人からも「なんかどうも斉藤さんは嵌められたようだ」という話を聞いていたため、一気にリサーチモードに入った。
また、神戸に住む同級生のMちゃんからも「実は会社でも誰に入れるかって話になってるとこだったんだけど、そこにあなたのインスタを見て…やっぱ斉藤さんがいいんかなあ?」という連絡が来た。
今思えばここらへんで、イノベーター理論でいう、アーリーアダプターを取り込め始めたのかな…と思う。あくまで私の肌感覚だが。

イノベーター理論にあてはめるのもどうかと思いつつ。

この頃、普段はおとなしいKちゃんは、いろんな人にラインでメッセージを送り、とにかく選挙に行けと言い続け、これまで選挙に行ったことがない友人を何人か、こっち向かせることができたと毎日報告を入れてきた。

そして、潮目が変わったなと実感したのが11/12の西脇市での演説会。
この時、立花たかしさんがいらっしゃったのも大きかったのだが、こんな田舎にすごい人数の聴衆が集まり、そして、とっても拡散されやすいことが起こった。

人口3万9000人の小さな市です。300人はきたと思う。

妹が斉藤さんとの握手の列に並んでいたら、妹の前で、女子高生が号泣しながら斉藤さんにお礼を言ったのだ。
その様子はyoutubeのライブ画像から切り抜かれ、Xで拡散された。(だからこの拡散画像には妹や姪っ子の後頭部も写っている)

同時に、西脇の片山市長が斉藤さんと握手している姿も全国に拡散された。

ちなみに、街頭演説では、泣いてる人が多かった。女子高生だけじゃない、先日の演説を聞きに行ってない人たちが、「今振り返れば失職の時の映像が泣けて泣けて…」「最初一人から始めたんよな…」「私たち誤解してたよな…」「愚痴一つ言わんと…私やったらできへん」「ちゃんと寝てはるやろか」と、演説聞きながら泣いてるのである。
ここら辺から、知事選の話題を積極的にふるのがタブーという雰囲気はなくなってきて、声の大きいTさん、Cちゃんあたりから「今日5人ひっくり返した」「私は3人」「どの動画を見せたら信じてもらえるか」「どう話しかけたらいいか」などの情報共有が盛んに行われていた記憶がある。あくまで私の周りは、ですが。

そして、自分の中でトドメを刺したのは14日の市長リスト。
稲村和美さんを支援するという表明を、21人(翌日一人追加)で連なって、県庁で記者会見を行った愚行である。

自治体の首長が特定の候補をプッシュするのは、私はやばいんじゃないのと思ったが、法律的には別にアウトじゃないらしい。
法律云々の話はいい。投票日の直前に、徒党を組んで、「斉藤前知事とは仕事ができません」って宣言するという幼稚な行為。ちなみに地上波では、バッシング報道への訂正を含め、ほとんど知事選への報道がされていない時期である。予想以上に斉藤さんへの応援の声が大きくなって焦ったのか知らないが、知事選のニュースが民放でほとんどされてない中で、こんなニュースを流して、しかもテレビで取り上げられたのだ。ネットを全く見ない人にどんな影響を与えるか。応援するならもっと前にやるとか、一人でやるとかいろんな方法があっただろう。そもそも、首長なら特定の候補を応援せずに「選挙に行こう」と呼びかけるだけで十分なはずだ。
結果的に、誰が利権と絡みついているかが一気に可視化できて、これは有権者の反感を買っただけだと思う。が、私を初め、勝手連の面々は「ええ加減にせえよ」というモードに入ったのは確かだ。

個人的な行動を振り返ると、この後にとった行動は以下の通りだ。
・毎日情勢をチェック。まだ厳しいかもしれないと情報交換。
・勝手連の人たちと「私たちにできることは何だろうか」という話ばかりする。
・「あの人声かけたか?」「まだや!行ってくるわ!」というような「とにかくやり残したことがないように、後悔しないように動こう」というモチベーション。
・なりふり構わず人にお願いするライン。特に私の場合は、発端となった告発文書で先生を利用されたことに対する怒りがあったので、それを文章にして、お願いだから選挙に行ってください、と友人に送った。

ちなみにCちゃんは、選挙事務所まで行ってメッセージカードを書いてきた。それくらいみんな、居ても立ってもいられない気持ちになっていたのが22市長リストの後。

それでも選挙に関心がない人はいる。
そのタイミングで中田敦彦さんがyoutubeで取り上げてくれて、一気に拡散しやすくなった。


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