大学時代の思い出
それは大学一年生の時。ボランティア活動を参加するため、朝早く起きなければならない。リーダーは絶対遅刻しないよう再三強調したけど、当日私、寝坊しちゃった。時間はぎりぎりになって、適当に服を着て出かけた。
グラウンドを通り過ぎるとき、サッカーボールが私の足元に落ちてきた。高いネット越しに、サッカー場から誰かがこちらに向かって走ってくる。サッカー部の部員だった。高くて格好いくて爽やかな男の子だった。
「ごめん、蹴ってしまった。ネット越しにボールを投げてもらってもいい?」イケメンが言った。
「うん、うん」と言いながら、「やばい、化粧したらよかったのに」とか「やばい、遅刻しそう」などの考えが頭の中で飛んできた。頭の整理がつかないうちに、手はボールを投げ出そうと焦っていた。
すると、左手に携帯電話を持ち右手にボールを持った私は、そう、自分の携帯電話を投げ出した(:
実はあのハンサムな男がどんな顔をしていたのか、今はもう覚えていない。でも、私が携帯を投げ出した後の彼の表情は今でも覚えている。この子、頭あまりよくないかも、と言わんばかりの表情だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?