ムーブメントの基本的な考え方⑥アームスイング
こんにちは!
ストレングス&コンディショニングコーチでありムーブメントコーチの山越です!
今回はムーブメントトレーニング において重要な考え方、要素である
アームスイング
について書きます。
アームスイングとは?
アームスイングとは「腕の振り」のことです。
アームスイング=腕振り。直訳すぎますが、これが結構馬鹿にできないんです。
みなさん、走る時に腕を振りますよね?
自然に行っている動作だと思いますが、この動作って本当に必要なのでしょうか?
考えてみてください。
なんなら実際に一回その場で腕を振らない歩き、走りを行ってみてください。
どうでしょう?
細かいことはさておき、めっちゃ動きにくくないですか?
何故か?
何故アームスイングが必要か?
僕の考えは
「回旋力を打ち消して、推進力を得やすくするため」
もうちょい詳しく。
例えば前に進む時。
地面を蹴って床からの反力を得るためには股関節は内旋・伸展の動きをします。(内側に回し込んで、後ろに伸ばすってことです。)
この時に、左脚で地面を蹴ったとします。
ここで、何もしないと次に前に出る右脚側の骨盤が前に出てしまいます。
真っ直ぐ進みたいのに、これでは非効率です。
なので、腕を振ることでこの生じた回旋力を打ち消します。
上述したように、左の脚で蹴る動作と同時に右の腕を引くのです。
左脚蹴る・右腕引く=右脚・左腕前に出る
といった関係性になります。
こうして、対角の腕と脚が後ろに下がる・前に出るという同じ動きをすることで地面を蹴ることで生まれたひねりの力を打ち消すことができるのです。
もっと言ってしまえば、アームスイングを起こすことでより地面を蹴る力が大きくなります。
アームスイングで蹴る力が大きくなる理由
それは、アームスイングにより骨盤の回旋が引き出され、地面を押すのに必要な股関節の内旋が大きくなるからです。
先ほども書いたように、地面を蹴ってもアームスイングがないとひねりの力が打ち消せません。
左脚で蹴った時、アームスイングがなければ右の骨盤が前に出ます。
しかし、アームスイングがあれば、左脚で蹴った時に右腕が引かれて、右の骨盤も後ろに引かれます。
そうなると、今度は左の骨盤が前に出ます。
地面を蹴っている・押している時に同じ側の骨盤が前に出ると股関節の内旋が入りやすくなります。
これは、骨盤が前に出ている時に、寛骨臼という骨盤にある大腿骨頭の受け皿に、股関節が内旋することによって大腿骨頭のハマるからだと思います。
そして、股関節を内旋することで大腿骨〜脛骨〜足部が一直線になりやすいので、その線上に力を出せば真っ直ぐ地面に力が伝わります。
これは、前に走る時も、横に移動する時も一緒です。
違うのはスタンスと身体の向きに対して力を出す方向、の2点です。
この力が出やすい状態を作ることの一役を担ってくれるのがアームスイングです。
股関節が内旋することで、伸展力を増強してくれる
これが、アームスイングが地面を蹴る力を大きくしてくれる理由です。
この他にも、アームスイングによって股関節の引き込みが起こり、それにより地面に着いた脚が力を出しやすい状態になるというメリットもあります。
この、股関節の引き込みに関しては前回の記事「ムーブメントの基本的な考え方⑤股関節の引き込み」を参考にしてみてください。
では、また。
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