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私がムーブメントコーチになった理由⑤インターン編

こんにちは!

ストレングス&コンディショニングコーチでありムーブメントコーチの山越です!


さて、この「私がムーブメントコーチになった理由」シリーズでは過去の私を掘り下げて、何故私がムーブメントコーチになったかを勝手に書き記しています。

「私がムーブメントコーチになった理由」シリーズ過去記事


さて、おそらく今日がラストになると思います。
行ってみましょー!

インターンで目撃した衝撃の光景

前回の続きから書くと、遠山健太先生に募集されたアメリカンフットボールチームでのインターン募集に即座に反応しなかった大馬鹿野郎な私。

でも、数日後インターンに行った同級生から様々な話を聞きます。

「バックスクワットをやっていない」
「フロントスクワットが主流」
「スライドボードがある」

などなど。そのほかにも聞いていたと思いますが忘れました(歳のせい)

そこで、後日。半ば強引に、アポも取らずにインターンをしたいと鹿島DEERSの練習・トレーニングルームがある調布市柴崎まで行きました。

当時は、今考えればとんでもなく礼儀知らずの常識知らずだったのでアポなしで行ったせいで多くの方にご迷惑をおかけしてしまいました。

申し訳ございませんでした。

それでも、なんとかトレーニングルームに案内されて、師匠となる朝倉全紀さんに初対面します。

そこで、何人か選手がトレーニングを行っていたのですが、聞いていた通りスクワットはフロントスクワットを行っていました。

まずここで、アスリートがやるスクワットと言ったらバックスクワット一択だろ!という固定観念が打ち砕かれます。

そして、ウェイトトレーニングを行っている選手は全員ウェイトベルトをしていません。

全ての種目でベルトをする必要はないと思うのですが、スクワットやベンチプレスでもウェイトリフティングでもしている選手はいませんでした。


選手がベルトをつけようもんなら拒否、だったらベルトしないでもできる重さまで重量を落とすか、代替のトレーニングを提案していました。

徹底した信念が窺えました。

そして、もう一つ。初めて見たものがありました。

「スライドボード(自作)」

もう一度書きます。

「スライドボード(自作)

です。

スライドボードとは横方向へのプライオメトリクストレーニング=瞬発力向上のトレーニングのツールです。

市販のものだとなんとものによっては一万円以下で買えるみたいですね。びっくりです。高価なものだと4、5万くらいしていたイメージです。



でもそれだと狙った効果が出にくい、なら作ろう!ということだったそうです。
いや発想力(笑)

でも、原価3万くらいで作れて、頑丈で、パフォーマンスも高く、全力でやれるのが良い感じでした。

私も専門学校時代思わず作っちゃいました

とまあこんな感じで行ってすぐのウェイトルームを見ただけで色々とショックを受けたのを覚えています。

さて、時間が19:00に近づいてくると選手たちがソワソワしだします。

19:00から練習で、フィールドに移動しなければいけないからです。

もちろんストレングス部門も移動します。

この、フィールドでのトレーニング、練習で本当に脳天打ち砕かれるくらいの衝撃を受けました。。。そしてそのショックが僕にムーブメントトレーニングを教えられるようになりたい!ムーブメントコーチになりたい!と決意させてくれました。


フィールドでの練習


フィールドでの練習はその時間までに揃っている選手で始めます。

というのも鹿島DEERSは社会人チームであるが故に選手は定時までフルで働いてから家に帰り、練習に来ます。

トレーニングルームが併設されている寮に住んでいる選手も多くいましたが、そうでない選手も多数いました。

そして、企業で働いていたらもちろん定時で帰れないということも当然の如くあります。

なので平日の練習はその時点で集まっている選手で行うことになっていました。

まずはウォーミングアップ。

体幹トレーニングから始まります。

プランク、左右サイドプランク、ヒップリフトです。

その後ダイナミックストレッチ、スプリント系と続いていきます。

普通だったらアップが終わったらそのまま競技の練習、、、と思っていたのですがここからが違う。

今思えば、ここが私がムーブメントコーチになろうと思ったきっかけです

そのアップの流れから、スキップして前に進んだり、壁を使って身体の角度をつけて脚を伸展させたり、長めのバンドで引っ張られた状態でスプリントしたりと陸上選手がやっていそうなトレーニングが始まったのです。

そう、これがムーブメントトレーニングとの初めての出会いでした!!

  • ポゴジャンプで地面から反発を得る

  • スキップで脚の入れ替えをする

  • 壁を使って実際のスプリントに近い角度で力を出す

  • バンドに引っ張られながら走ることで体幹の角度、地面につく脚の角度、出力の大きさを学習する


といった内容でした、確か初日は。

その中で朝倉さんが頻繁に行っていたキューイング(指示だし)は「地面を刺す」でした。

今まで、走り方なんて習ったことはなかった僕からしたらこんなふうに走るという動作に対して積み重ねて指導していく方法は全く未知の世界でした。

同じ日か、別の日かは忘れましたが(歳のせい)横方向の動きもやっていました。

  • 横向きでスキップ

  • 姿勢を低くしてスケーター

  • 壁で角度をつけて、片脚で骨盤を引いて、押し出してを繰り返す(股関節の引き込みじゃん!)

  • 壁で角度をつけて脚の入れ替え(エクスチェンジ)

  • バンドに引っ張られてスケーター

などなど。

横の動きもこんな風に段階づけていけるの?すげぇ!

と歓喜しました。

で、ポイントはここから。

何故、ムーブメントトレーニングを競技練習の前にやるか?


これに関してはムーブメントトレーニングをどのように位置付けているかが鍵になってきます。


サクッと作った自作のスキルピラミッド

スキルピラミッドという考え方があります。
簡単にいうと基礎的なことがしっかりできるとより高度なことのできる幅が広がりますよ、という考え方です。

ここでいうと、一番下の身体スキルというのはレジスタンストレーニングなどで鍛えられる「筋力」「可動域」「瞬発力」「巧緻性」「バランス」などを指します。※ほかにももっとあると思いますが割愛

そして、競技スキルというのは読んで字のごとく競技のスキルです。
バスケットならドリブル、パス、シュート、ディフェンスなどのスキルです。

この身体スキルと競技スキルにムーブメントスキルは位置付けられています。

身体スキルの向上がなされたところで、それがそのまま競技のスキルに直結するわけではない。その間にある「走る」「止まる」「曲がる」「跳ぶ」などシンプルな、でもどのスポーツにも共通してある動きのスキルを高めることで競技スキルへの好転換が起きる、という考え方のもとムーブメントトレーニングは行われていました。

つまり、競技の練習をする前にボールも使わず、相手もいなくて、あるとしても笛の音に合わせるくらいのムーブメントトレーニングで単純な動きのスキルを上げておくとその後の練習のクオリティが高くなるのです。

競技練習前のムーブメントトレーニングによって、身体的にベストパフォーマンスが出せるコンディションで練習が行えるようにしていたのです。

ストレングス&コンディショニングコーチの役割ってこんなに幅広いんだ!と衝撃を受けた22歳の春でした。

そして、先にも述べたようにこのムーブメントトレーニングは「どのスポーツにも共通してある動きのスキルを高めること」が可能です。

アメフトにも、ラグビーにも、バスケットにも、サッカーにも、バレーにも、野球にも

「走る」「止まる」「曲がる」「跳ぶ」ってあるじゃないですか。

自分で生み出した力を止めて上半身、下半身に伝えるっていう風に考えると

格闘技やゴルフにも使えます。

僕は実際にゴルファーにムーブメントトレーニングをよく処方しますが「効果は抜群だ!」です。

そして、僕はこのムーブメントトレーニングの何に一番惹かれたか?

それは今はダメでも、良くしていくことができる、というところです。

どういうことか?

例えば、バスケットボール部があったとして、その中にエースと呼ばれる選手、もしくはスターティング5に選ばれる選手がいます。

何故その人たちがそうなれるかというとバスケットが上手いからです。色んな意味を含めてバスケットが上手くて、監督がこの選手を試合に出そうと思えるからです。

じゃあそうじゃない選手はどうか?

その人たちよりバスケットは下手かもしれません。
監督としても、試合にあまり出そうとは思えないかもしれません。

そもそもバスケットが下手な要因として

  • ドリブルが遅いから

  • ディフェンスで相手に簡単に抜かれるから

  • 速攻で速く走れないから

  • そこそこ大きくてもジャンプ力が低く、リバウンドが取れないから

  • 簡単に当たり負けするから

などいろんな要因があります。

じゃあ、この選手たちはこの足りない部分を補う方法を知っているのでしょうか?補うためのトレーニングをしているのでしょうか?

もちろん、練習は精一杯やっている可能性は十分にあります。

筋トレもしっかりやっているかもしれません。

でも伸びない、上手くならない。

どうすれば?

となった時の解決策の一つとしてムーブメントトレーニングは活用できるのです。

  • 速く走れないからドリブルも遅い可能性は十分にある→ムーブメントトレーニングで脚を速くすればドリブルも速くなるかも!

  • ディフェンスで相手に抜かれまくる→横の加速や切り返しが強化されれば抜かれにくくなるかも!

  • 高く跳べないからリバウンドが取れない→ストップジャンプやその場でのスクワットジャンプや連続ジャンプができるようになればリバウンドが取れるかも!

という形でムーブメントトレーニングにより、足りない能力を補うことができるのです。

これがこの見出しの最初に書いた「今はダメでも、良くしていける」ということなのです。

上手くない選手が上手くなれるきっかけを与える。

できないことができるようになるきっかけを与える。

鹿島DEERSでのストレングストレーニングやムーブメントトレーニングをみて、これを学べば選手の可能性を広げていける!僕のやりたかったことはこれだ!と確信しました。

これが、私がムーブメントコーチになった理由です。

最後の最後が超長文になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。感謝です!


そしてそして、、、

何故ムーブメントトレーニングセミナー「山越塾」をやっているか?

インターン以来、高校や大学、専門学生のカテゴリーでストレングストレーニングとムーブメントトレーニングを指導してきました。それなりの結果は残せているのではないかと思います。

朝倉さんや、他のストレングスコーチと一緒にバスケの男女のトップリーグのチームでもストレングスとムーブメントの両方を指導させていただきました。なかなかできない経験でした。

今は、中学生を中心にストレングストレーニング(自重メイン)とムーブメントトレーニングを指導させていただいています。

やはり早いうちから速く走れる、しっかり止まれる、切り返せる、高く跳べるというのは障害予防の面でも重要だし、パフォーマンスアップにも欠かせません。

なので、引き続き今受け持っている選手へのムーブメントトレーニング指導は継続していきます。

ただ、自分や他の数人のコーチだけがムーブメントトレーニングを指導できても幸せにできる選手・クライアントは限られてきます。

私のボス、朝倉さん自身も一般社団法人School of movementを立ち上げ、その活動の中のMovement Fundamentalsというコースでムーブメントトレーニングを広める活動をしています。

僕も、僕の立場でその一助を担えればな、ということで「山越塾」という名のもとムーブメントトレーニングを広める活動を始めたという次第です。

一人でも多く、ムーブメントトレーニングを知ってもらって、選手の怪我の予防や、もっと上手くなれるためのお手伝いをしたい。そんな想いで開催している次第です。

そんなわけでして、

ムーブメントトレーニングセミナーを開催します!


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