エチオピア
先日カレーの聖地、神保町の有名カレー店に行った。
時間帯は昼のピークを過ぎた頃だったが、店内は満席だった為、(腹ヘッタ〜、早ク飯ヲクレ〜)などと心の中でゾンビになりながらしばし順番を待った。
初めてのお店にひとりで入るというのはいつも緊張するのだが、注文が食券制だったので「これならおひとりさまも安心やねえ」
とりあえず1番人気だったチキンカレーの食券を購入した。
注文の時にルーの辛さを指定するシステム。
範囲は0から70、僕はこういう時に後ろにつく単位が気になる人間なのだが、
「これ(辛さの数字)の後ろに付く単位はなんですか?」
と、昼の忙しい時間帯にせわしなく動く店員さん(カタコトの日本語で話す)に尋ねるのは気恥ずかしかったので、何だかよくわからないまま、胃腸ならびにお尻を大切にしたい僕は「0でお願いします」
(これはカレー好きを名乗る上で恥ずべき行為であるというのは分かっている。が、元々甘口を愛す小学生みたいな味覚しか持ち合わせていないこと、そして何より、インドカレー、タイカレー、スリランカカレーなどこれまで様々なお店でカレーを食してきた中で、行って1番後悔するのは、「辛くて食べられない」であることを身をもって学んできた僕にとって、初めての店でそのような失態は犯せないと判断した上での苦渋の決断である。何卒。)
まずはお水とお通し?が出てくる。
蒸した丸ごとのジャガイモ。ただそれだけ。
「おっ、刑務所みたいじゃ〜ん」と思った。
(多分今時の刑務所の食事はもっとちゃんとしている)
※ジャガイモに付ける用の塩、スパイスなどが席に置いてあるので、普通に美味しく食べられます。
なんかシュールで面白く思ったので、とりあえず水とジャガイモだけの写真を撮り、「#カレー食べにきた」とか言ってsnsにでも上げようかと思ったが、よくよく考えたらしっかりとスベっているのでやめた。
そうこうしている間にも、続々とお客さんが入店。
独りで来ている僕は話し相手もおらず特にやる事もないので、他人の注文を盗み聞きしていたところ、さっきの辛さの単位が「倍」であることを知る。
まさかの界王拳スタイル。
7倍、10倍などと各々が好き好きに注文していく中、「45倍で」と注文した女性客に、近くの席のカップルがザワついていた。
(悟空…!そんなことをしたら、身体が…!)
そんなこんなで、ついに僕が注文していた界王拳0倍(ナッパすら倒せない)カレーも到着。
結構サラッとしたタイプのルーだった。
味の感想は……
0倍でもそこそこ辛い…!
これの45倍って…!つ、つよすぎる…!
辛さ0倍ごときにヒーヒー苦戦しつつも無事完食。
45倍を注文した女性客に恐れ慄きながら、店を後にした。
帰り道、もし悟空だったら「世の中にはこれの70倍を食べる強えやつもいんのかあ〜、オラワクワクすっぞ」とか思うのであろうが、僕はリアリストなので「いやそれは流石にやりすぎだろォ…もう自傷行為じゃんか…」と思った。
※辛いけど普通に美味しかったです。
おわり
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