逆目に難渋する
ある程度、本格的に木工を始めると、必ず…と言うか材料を削るたびに毎回といって良い位、出くわすのが「逆目」です。
刃物を送る方向と木材の繊維の流れの関係で、平らに削るつもりが繊維をむしり取ってしまう現象が逆目(逆目ぼれとか、逆目が立つという言い方もします)です。
冒頭の写真は、最近導入した手押しカンナ盤で削ったもの。
材種は自然乾燥の檜(産地不明、多分、天然木)です。
手押しカンナ盤の刃は、まだ、そんなに使ってないので切れ止んではいないと思いますが、こんなになっちゃった。(泣)
こうなると、綺麗にしてるのか荒らしてるのか分かりませんね。
檜は刃物の通りが良い材料なので、てこずる事は比較的少ないのですが、たまにこういう事もあります。
しかし、この状態で商品にすることは流石に出来ません。
こういう時は手ガンナの刃を良く研いで、裏金を締めこんで慎重に削る事になります。
ベルトサンダーがあれば、それで仕上げる手も在りますが、持ってないんで手道具でやるしかない。
逆目の起きやすい木材にも色々有りますが、柔らかい針葉樹の場合、刃物が切れてないと、裏金(本刃の上に乗っかっている小さな刃物)を締めこんだだけでは切削抵抗に繊維が負けて、むしれてしまうんですよね。
なので、研ぎは重要です。
研いでは削り、また研いでは削りの繰り返し。
木工を始めた頃は、1時間かけて研いだ鉋で、10分も削ったら切れなくなって、また1時間研いで…
なんてことをやってました。
ヘタだったんでね。
1時間かけて研いでも、まともな刃が付いてないこともザラにあった。
今じゃ、そんなことは無いけれど。
1回当たりの研ぎにかける時間は5~10分位でしょうか?
刃先が欠けてたり、裏切れしてる場合は別ですけど。
でも、今回の檜はてこずりました。
油っ気が多かったせいもあるかも知れない。
油断すると、ボロっと行ってしまうので、慎重に鉋を引きました。
まぁ、とりあえずは良かったのですが…
もっと簡単に仕上がると思ったんだけどなぁ…
そんでもって、安易に儲けてやろうなんていう…
そんな訳には行かないのが木工です。
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6月27日追記
もう、1月以上前の話になりますが、手押しの刃の調整をしました。
そしたら、俄然、調子が良くなりました。3枚刃の機械なんですが、それぞれの刃の高さが微妙に違ってたみたい。
なんとなく、変な感じはしてたんです。ちょっと多めに削ると、刃が食いつくような感じで思いっきり鼻落ちしたり…
実は、その少し前に、購入して初めての刃の交換をしたんですが、「その時は声掛けてね!」って言われていたので、お願いしたんです。
でも、刃の高さを調整するジグが調子悪かったみたい。
はたで見てても、大丈夫なんかなぁ…と思いましたが、プロのやることなんで信頼してたんです。
でも、どうにもおかしいんで、マグネットベースを使って調整しなおしてみました。
そしたら、快調そのもの。
う~ん… (笑)