![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/38492225/rectangle_large_type_2_50af7b8384531a0c64d9b0f22ea80542.png?width=1200)
お釣りを理解していなかった純粋な頃の話。
今でも鮮明に覚えている幼少期の記憶のひとつに、お釣りがたくさん欲しくて、わざわざ大きいお金で支払いをしようとしたことがあります。
何歳かは覚えていませんが、お釣りの概念を理解できていなかった頃なので、大きくても小学校低学年だったと思います。
その時私は、自分のお小遣いでコアラのマーチ(80~90円くらい)をレジで買おうと500円玉を手に持っていました。実は100円玉があるのを分かっていましたが、どうやらたくさんお金を出せば、たくさんお釣りが返ってくることを母の買い物を見て理解していたようです。
ただし、なぜ買い物をしたのにお金がもらえるのか(お釣りのことです)はよくわかっておらず、母に説明を求めても「出したお金がちょうどじゃないからだよ」と返され、それでも理解できませんでした。
かくして私は、「自分もお釣りが欲しい!」と意気揚々とコアラのマーチを手に、レジへ向かいました。母が後ろで見守ってくれています。
当然財布の残高は同じになります。今だったら小銭をなるべく少なくしたいと思うでしょう。しかし、当時の純粋な私は、小銭がたくさんある=お金がたくさんあると思い込んでいたため、500円玉を払えばたくさんお金(注:お釣りです)がもらえると考えたのです。
ここで、悲劇が起きます。
いざ私が店員さんに500円玉を差し出そうとした瞬間、横で見ていた母が、私の手のひらの中に100円玉があるのを見つけました。そしてあろうことか、「100円があるじゃん」と言いながら、ひょいとそれを持ち上げ、そのまま店員さんに渡したのです。「あっ…」と心の中で思ったのも束の間、あっという間に支払いは終わり、私と母はレジを通過したのでした。
私は非常にショックを受け、返ってきた数円のお釣りを母に渡されてからも呆然としていました。「お釣りたくさん欲しかったのに…」としゅんとしていたのを覚えています。
そのことを母に伝えると、「そうだったのー?!」と爆笑されました。私事ながら、かわいいエピソードだなと思います。こどもって面白い。
おわり。