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大学中退者が語る~中退後の変化とその後の25年間のリアル~

大学を中退によって生まれた内面の変化とその後の25年間のキャリアについてお話します。

大学中退した経緯や理由

まず、中退した理由ですが、大学4年生まで単位は全て取得し、卒業論文だけが残っている状態でした。しかし、卒業論文は時間をかけて深く掘り下げる必要があり、私にとって高いハードルに感じられました。正直、逃げるような気持ちだったのですが、論文に取り組むモチベーションを維持することができませんでした。大学で学ぶ意味や、なぜ自分がこれをやっているのか、といった疑問が頭から離れず、葛藤する日々が続きました。

意思決定を後押しした人/本との出会い

そんな時、教育学の先生から紹介された立花 隆さんの本「青春漂流」を読みました。その本と教授との会話から、人生は一度きりであり、学びはいつでもできることに気づかされました。大学を中退しても、復学という選択肢もある。そう思った私は、親不孝だと感じながらも、大学を中退しました。

中退によって変わった内面の変化

大学を中退して変わったことは、自分自身でキャリアを築いていかなければならないという「崖っぷち感」を持つようになったことです。理不尽なことがあっても乗り越え、それを糧にして成長していこうという強い意識が芽生えました。

ちょうどその頃、IT革命が本格化しており、家の近くにあったWeb制作会社でアルバイトを始めました。そのまま正社員として入社し、社会人としての道を歩み始めました。

その後、当時従業員数5人ほどだったベンチャー企業「ロフトワーク」に入社しました。当時、林千晶さんから直接指導を受け、厳しいながらも貴重な経験を積むことができました。怒られることも多かったですが、すべてが自分のためになると思い、がむしゃらに働きました。この経験は、大学中退という決断によって生まれた崖っぷち感があったからこそ得られたものだと思います。

大学中退で感じたデメリット

大学中退によって感じたデメリットとしては、転職活動で「学歴」がネックになることが挙げられます。履歴書を見ただけで、学歴が低い/飽きっぽい人という印象を持たれてしまい、面接でもその点について突っ込まれることがありました。また、40歳を超えて転職活動を行う際に、転職回数が多いため、大手企業の書類選考を通過するのが難しく感じました。ただし、ベンチャー企業では、学歴よりも能力重視の傾向があり、それほど問題にはなりませんでした。

時々よぎる「復学」に対する考え方

今でも時々、大学で学びたいと思うことはあります。しかし、学ぶ目的を考えると、社会人大学に通ったり、本を読んだりすれば十分だと私は感じます。大学に通う目的が、単に肩書きを得るためだけなら、私は絶対に大学には行かないでしょう。それは、これまで私が選択してきた生き方と矛盾するからです。

まとめ

大学中退は、すべての人におすすめできるものではありません。もし、私の娘が大学中退を希望した場合、すぐに賛成することはできません。しかし、様々な人と出会い、話を聞く中で、最後は自分自身の決断で選択することも大切だと考えています。そういう人のその後の人生には「自分の人生を自分で決める/責任を持つ」という覚悟が生まれるのではないでしょうか。


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