親子に潜む矛盾の罠
こんにちは、心と身体が楽になる親子コーチング
近藤きょうこです。
親子に潜む矛盾の罠
まず【Double bind(ダブル・バインド)・二重拘束】とは…
(これはグレゴリー・ベイトソン(米国文化人類学者)の論文『精神分裂病の理論化に向けて』(1956年)の中で提唱された概念で心理用語です。)
例えばこんな感じ…
「こうしてはダメ(こっちもダメ)!」と言いながら、
ほかのことを始めたら
「なんでそんなするの!(あっちもダメ)」と二重に拘束する。
同じ人から2つの矛盾するメッセージが発せられることから、
受けた相手は、どうして良いか分からず
ストレスがかかり動けなくなってしまう。
両側から引っ張られて動けなくなってしまうようなイメージです。
【子育てで二重拘束になりがちなシチュエーション】
1. 「何でも相談してね」と言って、子どもが相談してきたら「その位、自分で考えなさい!」
(注釈)子どもは、相談した方が良いのか思っていたのに否定されたと受け取る。
次回相談したいと思ったときに、相談するべきか、自分で考えるべきか混乱してしまう。
2. 「なんでこんなことしたの!?」と、聞いたのに、「言い訳をするな!」
(注釈)子のいたずらでよくあるシチュエーションです。
「どうしてこんなことをしたの!?」は、言葉だけ受け取ると、こうなった成り行きを聞かれたように感じた子は、「○○してて、○○したかったから○○して…こうなった。」と成り行きを説明した。
親としては、「どうしてこんなことしたの!?」の意には、【子自身がすでにいけない事(いたずら)と分かっていて】「何故やったのか?」が含まれていた。
親が本来聞きたかったのは、【いけない事と分かっていて何故やったのか?と言う行動の意図】を聞いていた。
子どもとしては、親のいうことが矛盾しているように感じて困惑してしまう。
3.「勉強しなさい」と言いながら、「家事を手伝いなさい」
(注釈)勉強と手伝いのどっちをしたらいいか分からない。
親としては、どっちもしてもらえたら良いのだけれど、子にとってはどっちも出来ない状況に陥ってしまう。
さらに、親は「さっさと勉強しなさい!」+「さっさと手伝いなさい!」と二重拘束をどんどん強化してしまう。
4. 「おもちゃを片付けないと捨てちゃうよ!」でも、捨てない。(非言語のメッセージ)
(注釈)捨てると言っているのに、片付けなくても捨てるわけじゃないんだ。
という親が常に本当のことを話しているわけでは無いメッセージになってしまう。
どれが本音で、どれが本音じゃないか分からなくなってしまって混乱する。
5. 「そばに居なさい」と言いながら、「抱っこ」と子どもが言うと、身を固くしてしまう(非言語のメッセージ)
(注釈)「そばに居なさい」とか、「遠くに行ってはダメよ」なんて
言葉のケースもあると思います。
子どもはより近くに居ようと「抱っこ」と言うと、「甘えないの!」であったり、身を固くして体の表現として拒否反応が出たりする場合。
今回のシチュエーションは
日常でよくあるケースであると思います。
もしかしたら、ちょっとドキッとする事もあるかと…。
でも、上のような言葉を言ってしまったら
「二重拘束」で子どもは動けなくなりますよ!と警告したいのでは無くてね。
(二重拘束)矛盾したことを子どもに言ってないかな?と
自分の気持ちを一度確認と言うか見直しをするのが良いかなと思ったのです。
大人って、世間体とか本音と建て前とか、忖度とかね。
◆子どもの正解の見え方と、大人の世界の見方は違うんですよね。
大人の世界では色々使い分けるのが普通だけれど、
子育ては「本気で本音」が良いのかなぁと改めて思いました。
●そのように子どもが受け取ってしまうことがある。
もちろん、子どもの年齢や性格などによっても、受け取り方は様々です。
●こうした「二重拘束」の 声掛けの【頻度】が一番重要かと思います。
一回(や数回)言ったからといって、子どもが強いストレスに感じる事も少ないと思います。
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今回一番伝えたかった事は、
◎自分(親)が子どもに言っている言葉が、「本心か」と言う事
(自分が気づくという事)
◎子どもは大人の常識が通用しないので、時に自分(親)と全く違う解釈をしている
(相手に届けるためには
相手に受け取りやすい言葉にすることも必要だという事)
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