#ネタバレ 映画「幕末青春グラフィティ Ronin坂本竜馬」
「幕末青春グラフィティ Ronin坂本竜馬」
1986年作品
この龍馬も忘れられない
2016/4/28 7:14 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
坂本龍馬と言えば、最近では福山雅治さんのNHK大河ドラマ「龍馬伝」が有名ですね。でも映画では武田鉄矢さんの「幕末青春グラフィティ Ronin坂本竜馬」が忘れられません。なぜ再放送とかもっとしないのでしょう。
あたりまえかもしれませんが龍馬キャラも福山さんと鉄矢さんは似てます。温かく、優しく、強く、男でも惚れそうな、熱き血潮の流れる坂本龍馬がそこにいます。いや、鉄矢さんの方が二枚目でないぶん(失礼)、人間味をより強く感じます。
それから映画「幕末青春グラフィティ Ronin坂本竜馬」で初めて観たのですが、浪人たちが皆汚く、走り回ると蒸気機関車の煙みたいにホコリが尾を引くのです。チャンバラ映画を幼いころからたくさん見ていた私も、あれには驚きました。
それが後になって、やっとNHKの「龍馬伝」でも少し再現されたのです。
「龍馬=人間的魅力+蒸気機関車」が、映画「幕末青春グラフィティ Ronin坂本竜馬」を観た思い出でした。ぜひ、もう一度観たい作品です。
追記 ( ブレる人 )
2020/7/7 16:52 by さくらんぼ
半生を振り返ると、私は色々なことにブレてばかりいました。多くのことが、最初からは正解が分からないから、直感で走り出してから、何度も軌道修正して、目的地にたどり着きました。
一方、世の中には「ブレない人」がいるのです。それは長所とされ、人々の尊敬を集め、私も羨ましいと思っています。
そんなある日、人気TVドラマ「JIN -仁-」の再放送を観ました。
すると、坂本龍馬が出てきて、「わしには敵が多い。良いと思った方に、すぐ乗り換えるから、裏切られたと思うて、逆恨みする奴らがいるんじゃ」(方言に自信がありませんが)概ねそんなセリフを言ったのです。
SFである「JIN -仁-」の時代考証がどれほど正確なのかは知りませんが、(表現は適当ではないかもしれませんが)あの真実一路の坂本龍馬が、多くの敵を作るほどに、ブレまくっていたというのは衝撃的な話で、彼と比べるのは畏れ多いですが、なにやら私も「ブレていいんだ」と少し安心しました。
もっとも、敵は作りたくありませんが。
追記Ⅱ ( 「JIN -仁-」と「政治」 ) )
2020/7/10 11:11 by さくらんぼ
戦争映画が戦争を描いているとは限らないのなら、「JIN -仁-」は医術を描いているように見せて、実は、政治を描いていたような気がするのです。
私は医者でも政治家でもありませんから的外れかもしれませんが、医者は目の前の患者の命を救うのが仕事で、その患者が元気になることで、世の中にどんな影響(悪影響を含む)を与えるのかは、普通考えないものだと思います。敵味方の区別なく負傷者を助けたというナイチンゲールの逸話がそれを物語っています。
しかし、「JIN -仁-」の主人公・南方仁は、目の前にいる一人を助けることで歴史に介入することになりはしないかと、(恋人の存在を通して)はるか未来まで心配をするのです。
言いかえれば、南方仁はつねに過去・現在・未来を視野に入れて、慎重に次の一手を打っていたのです。途中からは、神の領域まで思考するの無駄だと、悟り始めたようですが。
これは政治家の仕事と似ているのではないでしょうか。
そう考えると、日本の未来を憂う坂本龍馬が絡んでくる意味が分かります。
二人は同士なのです。
追記Ⅲ ( 「JIN -仁-」と「迷い」 )
2020/7/12 15:39 by さくらんぼ
( TVドラマ「JIN -仁-」のネタバレです。)
TVドラマ「JIN-仁-」完結編の第一話には、瀕死の佐久間象山(市村正親さん)が登場し、南方仁(大沢たかおさん)が手当てしようとするエピソードがあります。
その時、佐久間象山は、10歳ぐらいの頃しばらくタイムスリップした経験があり、未来の日本を知っていたことが分かります。
過去に戻ってからの佐久間象山は、未来の日本を早く実現すべく、イノシシのように突進したのです。坂本龍馬がブレながらのイノシシなら、佐久間象山は正解を知っているイノシシでした。しかし、正解を知っていると言っても、10歳の少年が見聞きしただけの知識では少なすぎます。
そんな佐久間象山は南方仁の正体を見破り、
「お前の中には膨大な知識が詰まっているのだろうな(羨ましそう)。
おまえが『歴史を変えてしまう』と怯えているのは、『自分には歴史を変える力がある』と思っているからじゃないのか。
ちがうか!。
何を躊躇しているのだ。さあ行け、行って今の日本を変えるのだ」
みたいなセリフを言うのです。
私はこのシーンを観て、イージス艦が過去の日本にタイムスリップする人気アニメ、「ジパング」を連想しました。南方仁はイージス艦なみの破壊力を秘めていたのです。
このドラマ、いよいよ政治色が強くなってきました。
「コロナ過」で分かった通り、タイムスリップした経験のない私たちは、未知と遭遇すると、未来が見通せなくなり、有識者でさえ意見が分かれ、政治家も迷い、結果、国民も路頭に迷うわけです。
このTVドラマ「JIN-仁-」が再放送された理由の一つは、「新型コロナと戦う医療関係者への感謝」でありましょう。
しかし、新型コロナという「未知との遭遇」に、正解を求めて右往左往する現在が、坂本龍馬たちが生きた時代と似ているということが、もう一つの発見でありました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)