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#ネタバレ TV「 ネットワーク・ベイビー」
「ネットワーク・ベイビー」
愛をプログラムに織り込んではならない
2014-07-28 21:13byさくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
映画「her/世界でひとつの彼女」は、コンピューター内に恋人を持つ男の話ですが、このTVドラマ「ネットワーク・ベイビー」は、コンピューター内にわが子を持つ母の話です。
1990年にNHKで1時間ドラマとして単発放送されました。私はそれをリアルタイムで見て衝撃を受け、四半世紀たった今も忘れられないのです。
主人公は映画「さびしんぼう」の富田靖子さんです。彼女はコンピューター・ゲーム開発会社の社員で、発売予定のコンピューター・ゲームの新製品をテストする仕事をまかされます。
ゲーマーなら嬉しい仕事かもしれませんね。彼女も軽い気持ちで始めたのでしょう。
でも、ひとつタブーを犯しました。
彼女は、実は、自分の子供を亡くしているのですが、ゲームのキャラに、その亡くした子供の名前をつけてしまったのです。そして、そのキャラからはママと呼ばれるようにセットしたのでした。
そのため、だんだんと、仕事の枠を超え、ゲームに感情移入していく彼女。
いつしか、ゲームと現実との境界線を越えて…
主題はもう一度観ないと分かりません。
しかし、四半世紀も前に、よくもまあ、こんなにも切なく、衝撃的な、人間とコンピューターの愛の物語を作ったものだと、今でも、私は称賛をおしみません。
と言いますか、これを超えて胸に迫る、哀しいコンピューター物語を今も知りません。
1991年にVHSで発売されましたが、DVD化はされていないと思います。
でも、このドラマをこのまま眠らせてしまうのはもったいない。
ぜひ、リメイクで、きちんと映画化をしてもらいたいと思います。うまくリメイクできれば、きっと世界中の人々を泣かせることができるはずです。
女優さんは、富田靖子さんのように、一見優しく温かく、そして気が弱そうで…でも、鬼気迫る表現ができる人で。
★★★★★
ところで、TVドラマ「ネットワーク・ベイビー」を思い出すような悲話が、ソニーのロボット・AIBOで現実に起ころうとしています。
犬型ペットロボットAIBOは1999年に初代が発売されました。その後2006年にソニーがロボット事業から撤退を発表しましたが、修理サポートは2014年3月まで続けられてきました。でも、その後は…
以下、おなじみのYahoo!ニュースで発見し採取した記事です。
『AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ』〈AERA〉dot. 7月28日(月)15時21分配信
余談ですが、これで、連想するのは、今度、どこかのメーカー発売する人型ロボットのことです。修理サポートはいつまでなのでしょうね。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)