#ネタバレ 映画「オンネリとアンネリのおうち」
「オンネリとアンネリのおうち」
2014年作品
少女たちの夢の中
2018/6/25 22:20 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
人気TV番組「クレヨンしんちゃん」には、しんちゃんの女友だちが、“おままごと”をしたいので、嫌がるしんちゃんたちを、無理やりひっぱり込むエピソードがあります。
そんな“おままごと”で夢中になっている、少女たちの頭の中を、美しくドラマ化したものが、この映画「オンネリとアンネリのおうち」のように思います。
時は、北欧の夏休み。
自由になった、仲良し少女のオンネリとアンネリは、すぐに夢の世界へ入っていきました。観客といっしょに。
これは、楽しい絵本。
あるいは、美しいお花畑のような、お話しです。
★★★★
追記 ( 二人の闇 )
2018/6/26 16:16 by さくらんぼ
明るい中にも、疎外感を抱えた二人の少女は、お互いの闇に惹かれ合い、親友になりました。
「 オンネリは9人きょうだいのまん中で、アンネリは離婚したおとうさんとおかあさんの間を行ったり来たり。ふたりの両親は忙しすぎて、自分たちがいなくても気づかない。」 (チラシより抜粋)
追記Ⅱ ( 婦人の恋 )
2018/6/26 16:29 by さくらんぼ
爽やかな夏休みの初日。
道を歩いていた二人は、ある美しいお家の前で、大金の入った封筒を拾います。
そこには、「正直者にあげます」と書いてありました。
二人はそれで、その美しい家を買うのですが、それは家の主であった上品な婦人が、アンネリのお父さんに恋をして、接近するために仕組んだものだったのかもしれません。
もう一度観ないとよく分かりません。この映画は、夢と現実が混在した「リアルおままごと」ですから。
でも、ふと、そう思ったのです。
追記Ⅲ ( 大切な概念 )
2018/6/27 9:35 by さくらんぼ
この映画は、「観客の子どもたちに『お金』の概念を教える教育映画」でもあったのかもしれません。
幼い彼女たちには「大金」の意味が分かりませんでしたし、「お菓子の方が良い」と言ったり、札束をしばっていたリボンの方が嬉しくて、髪留にして、はしゃいだぐらいですから。
映画では(親に稼ぎをせびられる)アイスクリーム屋さんを使って、婉曲的に描かれていますが、お金がなくなれば、夢のような生活も終わりを告げます。なかには泥棒になる者さえいます。
その時、彼女たちは「お金の何たるか」を悟るのです。
追記Ⅳ ( ばぶる )
2018/6/27 9:41 by さくらんぼ
チラシの写真、
ハンモックは、揺りかごで、
シャボン玉は、あぶく銭。
追記Ⅴ ( お金のいろいろ )
2018/6/28 9:09 by さくらんぼ
お金を拾った正直な少女たちは、まず警察に届け出ました。そして、改めて警察から受け取ったのです。
少女たちに家を売った婦人は、少女からお金を受け取るとき、半分しか取りませんでした。そして「残りは生活費にしてね。家を持つとお金がいるわよ」。そう言ったのです。
さらに、街のアイスクリーム屋さんは、稼ぎを親からせびられてしまい、泥棒をして、警察に捕まりました。
その、泥棒に入られた家主は、スイカ大の、ブタの貯金箱を売って生計を立てていました。そして、そんな彼女の家には、お金のいっぱい詰まったブタさんが何個もしまってあったのです。
少女たちも、そこのお店でブタの貯金箱を買って、無駄使いせぬように、貯金を始めました(稼いでもいないのに貯金?、という気がしないでもありませんが)。
以上のとおり、この映画「オンネリとアンネリのおうち」は、「お金の匂い」がぷんぷんするのです。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)