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#ネタバレ 映画「人生の約束」

「人生の約束」
2016年作品
人生にも灯台が必要である
2016/1/14 11:29 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

新湊曳山まつりの準備をしていた若い衆の横を、超ミニスカートをはいた、観光客らしい三人組の女性が通りすぎました。思わず目で追う一人の男。

すると、その目線に気づいた仲間が「あんまり見てるとセクハラで訴えられるぞ!」と注意します。

男は「でも、見てほしいから、あんな格好してるんだろ」と反論。

仲間は「そこが、人生のヤヤコシイところなんだよなぁ」などと言うのです(正確ではありませんが、概ねそんな話を)。

おそらく、これが主題ですね。

長い人生を大過なく生きていくには、人生の指針と言うか、灯台の様に導いてくれるものが必要です。それが無い人は、いや、それが有っても、長い人生、油断すると、気がついた時にはすでに道を誤っていて、大きなトラブルになってしまい、人生を棒に振ることすらあります。

そんな時、灯台になるものの一つは「世論」でしょう。もちろん、悪人による世論操作や、集団ヒステリーなどで、世論も間違えることがありますが、話をシンプルにするために、それにはあまり触れないことにします。

悪人を成敗するのは多くの場合、世論なのです。そして、それは“つながる”曳山まつりへと繋がっていくのです。

ラストで、中馬が首にしようとしていた、小生意気な青年の言動が、実は退職した親友・塩谷航平の遺言であったことを知った時、私もホロリとしてしまいました。

女だけでなく、何に翻弄されるかは人さまざまなので、この映画は万人の胸に刺さるものになることでしょう。

★★★★

追記 ( 女の魔性も描いている ) 
2016/1/14 11:39 by さくらんぼ

今度は裏の主題(たぶん)をお話しします。

それは、ある意味、映画「デトロイト・メタル・シティ」で語っている、“女は悪魔も手なずける”と似ているのではないのかと思うのです。

①話は、やはり超ミニスカートの女性から始まります。彼女たちは後ろ姿で、無意識に、男性を誘惑していました。

②一見純情そうな航平の娘・瞳(高橋ひかる さん)にも、生来の性(サガ)として、どこか男を惑わし破滅させる小悪魔的なところがあり、無意識にIT関連企業のCEOを務める中原祐馬(竹野内豊さん)を手玉に取っていました。

③その延長線上にあるのが、中馬の秘書をしている由希子 (優香さん)です。彼女は中馬を宿主とし、中馬の利益を最大化することで、由希子自身の利益も最大化しようとしていました。彼女は巧く立ち回り利益を得た後、中馬が失脚すると、今度は別の宿主を求めて離れていきました。

④そして、一番分かりやすいのが、小百合 (小池栄子さん)です。彼女はあけっぴろげに中馬への好意を表明していました。あわよくば玉の輿を狙っていたのですね。

この映画は、そんな女の魔性の前に、獲物になる一人の男を描いていたとも言えるのです。

そう言えば昔、TVのCMで、男が小指を立て「私はこれで人生を…」と、懺悔するものもありましたね。

追記Ⅱ ( TVにデジタルエコーを内臓したら ) 
2016/1/16 7:18 by さくらんぼ

昔の映画館は劇場でしたから、見た目の豪華さもあり、音もワンワン反響するのがあたりまえでした。それが、いかにも映画館らしかったのですが、最近の映画館は単なる暗室ですから情緒もなく、音も響かないように作ってあるようです。さらにシネコン特有の小さな暗室は余計に音が響きません。だからオールドファンの私は、映画館へ行っても、いまひとつ映画を観た気がしないのです。

でも、この映画「人生の約束」では、なぜか反響を感じたのです。なじみの映画館の、いつもの席で観賞したのに、今回は音が違った気がしたのです。きっと私のメンタルの状態がいつもと違っていて、そう感じたのでしょうね。

今、TV映像が、ハイビジョンから4K、8Kへと進歩していますが、音の進歩はあまりできません。なぜならミニコンポ並みの音でも(技術的には簡単)、一戸建て以外のユーザーでは近所迷惑になってしまう心配があるからです(低音がボンボンと隣室まで聞こえやすいから)。だからTVの音に関してはユーザーが自己責任でグレードアップするようになっているのだと思います。

それでは低音は今のまま(小さいまま)、音もノーマルとシアターの二種類、スイッチで切り替えられるようにして、シアターモードの時には、劇場みたいな反響音だけを付加できるようにしてはどうでしょうか。

もちろん専用の外部AVアンプと外部スピーカーなどを使えば今でも出来ますが、いかにも大げさになります。だから庶民のために、TVにデジタルエコー基板だけ内蔵するのです。技術的には難しくないでしょう。

追加のアンプやスピーカーもいりませんから、そんなに値段はアップしないでしょうし、それでいて往年の映画館の音があまり近所迷惑にならずに楽しめるはずですから、宣伝すれば興味を持つ人は少なくないはず…

と、思いましたが、エコーがかかるとセリフが聴きづらくなり、音量を上げる人が多いと予想されるので、近所迷惑になりそうですね。やはり人生はヤヤコシイものです。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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