#ネタバレ 映画 「世界侵略:ロサンゼルス決戦」
「世界侵略:ロサンゼルス決戦」
寅さんがもし戦えば
2011-09-28 10:21byさくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
異星人たちは体が武器と一体化したアンドロイドの様でした。
あのアンドロイドに感情は無く、中央コンピューターの指令を受けて半自動的に動くのでしょう。戦闘目的だけに特化した製品だと思います。
応戦する海兵隊はそうではありません。誰よりも人間くさい連中です。恐怖心や自尊心を始め、喜怒哀楽にほんろうされています。保護される民間人もまた同じ。
そんな両者が戦った時に、はたして、どちらが有利なのか。
別に戦争でなくとも、普通の経済活動でも、効率よく戦うためには人情などは不要だと結論付ける人もいるかもしれません。でも、ある人々は、コテコテの人情・浪花節である寅さん映画をあいかわらず愛し続けています。この映画でもジョン・ウェイン似の主人公が大活躍していました。あれは勇者の記号であると同時に、人間くさいヒーローの記号だと思います。
そういえば、この作品は映画「ステルス」に似ています。私は「ステルス」のレビューに「兵士に感情は必要なのか」というタイトルを付けましたが、この映画にも同様のタイトルを付けてもおかしくありません。
そして、二本の映画ともに感情は必要であると結論付けていたようです。高度な、崇高な判断力は、心を抜きにしてはありえないのでしょう。
映画のラスト、食事をとらず、弾薬だけを補給して、大急ぎで戦場へUターンしようとする海兵隊員たち。
それに対し、「兵士は食える時に食っておくものだ」と忠告する兵士がいました。
激戦を戦い抜くには、エネルギー切れで、ハンガーノックになることだけは絶対に避けなければならず、兵士たるもの、本当は「食える時には食うべきだ」と思いますが、「感情があるがゆえに、生存に関わる食事すら抜きで戦おうとする」のでしょう。
「バ、バ、バ、・・・」と2サイクル・バイクの様な爆音を上げて浮遊する異星人の兵器。あの妙なレトロ感には一票入れますが、話が単調で、あまり新鮮味も無く、シナリオを工夫する余地がありそうです。
★★★
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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