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#ネタバレ 映画「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」
「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」
2017年作品
「パラリンピック」も連想させる熱量
2020/9/16 22:03 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
最近アーティストの伝記映画がよく上映され、私も好んで観に行っています。
なかには映画「ボヘミアン・ラプソディ」や、 映画「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」みたいなドラマチックで熱い作品もありましたが、正直なところ、あまり面白くない作品もありました。
そんな中、この映画「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」は熱い作品に入る一本でしょう。
娼館と気の良い高級娼婦たちも出てきますが(しかしHのシーンは無かったような)、それを承知なら、老若男女にオススメの佳作です。
★★★★☆
追記 ( ビル・エヴァンスを見ているよう )
2020/9/17 9:13 by さくらんぼ
この映画で描かれているジョアン・カルロス・マルティンスさんと、ジャズのビル・エヴァンスさんは、メガネのお顔が似ているだけでなく、うつむき加減の演奏スタイルも似ていて、ビル・エヴァンスさんのファンである私には親しみがわきました。
追記Ⅱ ( 天才と努力家 )
2020/9/17 10:05 by さくらんぼ
映画を少し観ただけで、彼の内面を語るのは軽々かもしれません。
それを承知でお話しするのですが…
ジョアン・カルロス・マルティンスさんは幼いころ病弱だったことが描かれています。友だちが外で遊ぶ姿を羨ましそうに見ていると、「ピアノの時間よ!」みたいに呼び戻されるシーンもありました。
彼は生まれながらのピアノ大好き人間だったのではなく、体が弱く室内にいることが多かったから、ピアノのレッスンを始めさせられたようです。それで偶然才能が発見されたのです。
天才は軽々とそれが出来てしまうために、天才である自覚が無いこともありそうです。だから自分のやっていることの価値が真には理解できない。
そんな彼は(失礼ながら)人生をなめていたのかもしれません。
しかし、転機がやってきます。
ピアニストとして大成功をおさめたある日、やはり窓の外からにぎやかな声が聞こえてきて、覗くと、そこでは有名選手が球技の練習をしていました。
幼いころの反動か、大喜びで飛び出し、頼み込んで自分も体験練習をさせてもらう彼。私の常識ではプロは指の怪我を恐れるはずですが、(前述したように)まだ自分の価値に気づいていなかったので、しかたありません。
喜んでいますから、彼は音楽家ではなくスポーツ選手になりたかったようですね。しかし、これが彼の運命を変えてしまいます。転んで肘を怪我し、右手の三本の指に障害が残ってしまうのです。
しかし、彼から音楽を取ってもスポーツ選手には転身できません。何者でもなくなってしまいます。
やっとそれに気づいた彼は、自分の天才を守り通そうと決意します。
ここからが、彼の本当の戦いになるのです。
追記Ⅲ ( ピアノとワープロ )
2020/9/17 14:05 by さくらんぼ
映画の冒頭、深夜、妻が目を覚ますと、夫のジョアン・カルロス・マルティンスが音のしないピアノで練習に没頭しているシーンがありました。
(失礼ながら、凡人の私にも)「わかるなぁ~」と。
今から30年ほど前、私がブラインドタッチの練習をしていた時、電源をOFFにしたワープロで、TVを観ながら(楽しみながら)音声のタイピングをしていました。
一定のレベルまで達すると、電源をOFFにしてもタイプミスが分かるようになります。タイプミスをするという事は敏感な指先の着地に5ミリ前後の誤差があるという事ですから、見なくとも気づくのです。
TVどころか、温泉旅行に行く時もワープロを持っていき、旅館の窓際にある椅子で、ゲームに熱中するように、独り言をキーに叩き続けていました。
ちなみに、私はトランプや囲碁・将棋、TVゲームもやっていません。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)