#ネタバレ 映画「今度の日曜日に」
「今度の日曜日に」
2009年作品
浮気は本気になることがある
2009/5/9 17:46 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
主人公のソラは失恋のさみしさを「興味の行方」という授業に没頭することで忘れようとします。でもガラス瓶自体を興味の対象にすれば良かったものを、用務員の松元さんを興味の対象にしてしまったので、いつしか、それが淡い恋に変わってしまったのですね。
韓国人の価値観では、政治家とか、外交官とか、会社の社長とか、そんな人たちしか、人生の成功者とはみなさないと聞いていますので、韓国からの留学生であるソラが、松元に恋してしまうのは意外な展開なのです(私は職業に貴賎は無いと思っています)。でも、そこがこの映画のポイントでもあるのだと思います。
さみしさを紛らわすための、いわゆる浮気のつもりでも、本気になんか、なるはずが無い、と自信を持っていても、本気に変わってしまう危険を秘めているのです。火遊びはやはり危険なのでした。
いろいろな種類のビンを集めていた松元。彼もまた浮気心がありました。だから、それを断ち切るために、クリスマス・コンサートには、もう出てきませんでした。そこで使われたビンが、形のそろったビンに変わっていたことは、映画の語った教訓でもあると思います。
では、ソラが最初から好きだった先輩には、日本で何があったのでしょうか。ソラに何も言わず韓国に帰国し、交通事故で死んでしまいましたが。
おそらく先輩も、日本で浮気をしていたのだと思います。その、おなじ浮気という軌跡を、ソラもそれと気づかず、たどっていたのだと思います。
余談ですが映画「幻の光」に出てくる、夫の死の秘密も、残された妻の半生のドラマで語っていたのだと思いました。妻は最後まで気づきませんが。その点は、ちょっと構成が似てますね。
ピュアだったソラも、どうしようもなく、複雑で、せつない経験をして、ちょっぴり大人の世界を知りました。ラストの母からの電話応対に味わいがありましたね。
ナチュラルな良い映画でした。
★★★☆
追記 ( 冬には温かいビールも欲しい )
2015/12/22 6:50 by さくらんぼ
昔、私が幹事をし、会社の課の慰安旅行で、日本海沿いの温泉へ行きました。こんな時は、バスが出発すると同時に酒宴が始まるものです。
寒い時期なので、私は常温のビールを用意しました。そうしたらA係長は「ビールは冷たいのが常識だ!」と言い、B係長は「寒いからビールは冷やさんでも良い!」と言ったのです。私が困惑したのは言うまでもありません。
会社をリタイアしてからは、年配の友人知人たちと忘年会をすることもありました。先輩たちは全員、冷えたビールを嫌い、焼酎のお湯割りを飲んでいました。
「とりあえずビール」の世界に慣れた私は、冷たいビールで乾杯しない酒宴に驚きましたが、数年の後には、自分も扇風機が欲しい真夏以外は常温のビールを飲むようになり、暖房が必要な時期になると、温めたビールを飲みたいと思いながら常温のビールを飲むようになりました。聞くところでは、本場ドイツではビールは冷やさないそうですね。それどころか冬には温めたビールを飲む国もあるようです。
日本でも、コンビニなどで、常温飲料は冷やさないところがあるそうです。やっぱりニーズがあるのですね。
それなのに、なぜ飲食店や、温泉旅館では、冬でも冷えたビールや氷の入ったジュースしか出さないのでしょうか。はり紙でもして宣伝し、何本か冷蔵庫から出しておくだけでも多用なニーズに対応できるはずですが。
いつだったか、居酒屋で「冷蔵庫に入っていない常温の瓶ビールを下さい」と言いましたが、店員さんは怪訝な顔をした上に、やっぱり冷えた瓶ビールしかくれませんでした。「どうせ、お前の店ではぬるいビールしか出せんのだろう!」と皮肉でも言ったと誤解されたようです。
「温めたビール」や「ホットビール」でググッてみると、好意的な意見が沢山ヒットすることに驚かれると思います。いろんな温度で飲める日本酒の国の酒好きさんは、一度お試しを。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)