#ネタバレ 映画「DOG STAR/ドッグ・スター」
「DOG STAR/ドッグ・スター」
2002年作品
映画「A.I.」を連想
2002/5/14 17:13 by 未登録ユーザ さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
犬は最初、「人間は愛すべき存在」と教えこむために、一般家庭で育てられる。そして、十分人間に親愛の情をいだいたころで引き離され、今度は訓練所に入り、別人の訓練士のもとで一人前の盲導犬になる。
映画「A.I.」は愛をインプットされたのちに捨てられた少年が、愛を求めてさ迷う話しだった。あれは、架空の話しである。しかし、けっして捨てられたわけではないけれど、盲導犬は現実の存在なのだ。
別れは犬にとっても人にとっても辛いはず。辛いが誰かがやらなければならない大切な仕事だ。その事情を広く知ってもらいたい。それがこの映画の願いの一つかも知れない。
犬の「しろ」が乗り移った人間の「しろ」は警察の内部告発者である。そんなところにも意味が込められている。沢山の人に観てもらいたい。映画はとても良く出来ている。
今、チェン・イーモウ監督の映画が公開されているが、あれを思わせるような、じっくりとした人物描写が素晴らしい。井川さんの演技も新鮮である。また、観客にあまり媚びない、辛口の描き方であり、それは、韓国映画を思わせる。
主役の二人とも大人気のスターだが、アイドル映画でも、トレンディー映画でも無い。硬派な作りの秀作である。
私はあまり犬の映画は見ない。それは、私が物心ついた時から犬と暮らし、犬の気持ちがわかるような気がするほど好きだからである。そんな私が見ると、こちらが気恥ずかしくなってしまう映画も中にはある。
なぜなら基本的に犬はお芝居には限界があるからである。そこをCGをうまく使うことにより効果を上げれないかとか思っていたが、幸いに、この作品は犬の映画なのに、犬があまり登場しないので違和感が少ない。
ラストの感動シーンはCGでは無いが、コマ落としで撮影しており、犬の演技の不自然さがカバーされている。「そうかこの手が有ったのか・・・」ひざを打って感心した。そして、涙が両目から滝の様に溢れてきた・・・よし!!
ここで終ってくれれば大成功と思ったら、映画はもう少しだけ続くのだ。ここで評価が分かれるだろう。それはご自分の目で見て判断して欲しい。
しかし、犬好きは世界中たくさんいる。もっと、この種の映画を作って欲しい。
追記 ( もう夢でしか逢えない )
2015/7/23 22:18 by さくらんぼ
私が幼いころ、刻みキャベツに、薄く輪切りにした魚肉ソーセージをパラリして、マヨネーズとウスターソースをかけたサラダが、よく食卓に上りました。
ウスターソースって、子供の舌には、トウガラシのように辛いのです。今で言う激辛麺でも食べるように感覚で、ハー、フーしていました。
それが、私とウスターソースの、最初の想い出です。
小学生頃になると、近所に駄菓子屋さんがあったおかげで、毎日のように焼きそばを食べました。
今でも、あの触感、味は、映像とともに、ハッキリと覚えています。
お皿の上から、ウスターソースをズブズブになるまでかけるのです。そして、最後には、お皿に口をつけて、残ったソースをズズッとすすります。
もう、ウスターソースの刺激は、おいしくて、クセになりそうでした。
大人になるころには、その駄菓子屋さんは無くなりました。
それと同時に、自分で焼きそばを食べることもなくなりました。
焼きそばは、想い出の中だけの、料理になって行きました。
そんなある日、街に一件のお好み焼きやさんがあることに気がついたのです。
近所まで用事でよく行くので、だんだんと、気になってきました。
そんなある日、勇気をもってお店に飛びこんでみたのです。
食べたのは、もちろん、焼きそば定食。
でも、がっかりでした。
麺が想い出の焼きそばより細い。しかも、ソースの味が淡いのです。淡泊な味わいの、焼きそばでした。
私の想い出の焼きそばは、近所に工場があったせいか、労働者諸君(寅さん風に)の味覚に合わせていたみたいで、こってりしていました。
もう、懐かしい、あの味はたべられないのかなぁ、と思ていた矢先。
たしかミニストップさんの焼きそばドッグを偶然に食する機会があり、とても感激したのです。
麺の太さも合格。ウスターソースは、ゼラチン系のものが混ぜてあるようで、たっぷり濃厚でも、たれないようになっているのです。
私は何十年ぶりかで、幼いころ食べた焼きそばの味に、巡り合うことができました。
コンビニはあなどれませんね。
ただ、惜しむらくは、パン生地が甘かったことです。わたしは食パン系の甘くない生地の方が好みです。あそこで甘いと…古い人間には、うかつに場違いな場所に迷い込んだような気まずさを感じ、どうしようかと、一瞬うろたえてしまいます。
ところで映画「DOG STAR/ドッグ・スター」。
別に、ドッグ・スターと焼きそばドッグをかけているわけでは…ありますが、それだけでは、ありません。
盲導犬は、約一年、パピーウオーカーという人たちによって育てられてから、訓練士の元へ行き、最後には飼い主さんの元へ、もらわれていきます。
表面上は、現在の飼い主さんしか知らないように見える犬たちも、きっと、心の奥底には、忘れられない別の二人の飼い主さんの想い出が眠っているのでしょう。
もう夢でしか逢えない。
それを、一言も語らず、健気に尽くす、盲導犬たちに敬意を表します。
追記Ⅱ ( スイーツのことをクーラーと呼んでみる )
2015/7/24 21:15 by さくらんぼ
>ただ、惜しむらくは、パン生地が甘かったことです。わたしは食パン系の甘くない生地の方が好みです。あそこで甘いと…古い人間には、うかつに場違いな場所に迷い込んだような気まずさを感じ、どうしようかと、一瞬うろたえてしまいます。
ほんとうは、これは、ちょっとぼかした表現です。
もっとリアルに感じたことを書くと…
あのとき「甘さの温度感は冷たい」と知りました。「ドライアイスの煙のようなひんやり感」でした。また「甘さの色は白」だとも知りました。比べて焼きそばの「塩分は、もっと温度感が高い」のです。私は食べたことがありませんが、アイスクリームの天ぷらなどは、きっと、合わさったような食感なのでしょうね。
ちなみに、焼きそばと言えば、季節がら、海の家の焼きそばと、良く冷えた缶ビールが美味しいですね。9月になったら、夏の名残を探して、海へ行ってみたいです。
9月の良く晴れた一日は、まるで片岡義男さんの世界みたいですから。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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