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#ネタバレ 映画「最後の乗客」

2024年公開作品
成仏とは忘却なのか


( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「2時間の映画を観ると一日仕事をしたように疲れる」と別記事に書きました。だからもう映画館には行けないと。

でも、補足するなら、「2時間の映画を観ると、ほぼすべての作品で、1/4ぐらいは寝てしまう。だから、「あらすじ」も良く分からず、見終わった後の胸がホカホカするような感動もないし、解釈するには「あらすじ」をネットで調べなければならない。それだけでは情報が足りないので、ワラにも縋る思いで作品のチラシを凝視して、隠し絵のようになっている情報があることを見つけ、レビューに書いたりしていた。でも、それが日常的になって来たので、そろそろ、映画館を卒業する潮時かと思った」というのが近いです。

前置きが長くなりましたが、そんな私は、上映時間が55分であり、しかも騒々しいドラマではない事を知り、これぞ待っていた作品と、映画館へ走ったのです。

ドラマは、「タクシーに乗る幽霊が出る」と噂される、深夜の、とある港町が舞台です。これは3.11にまつわる話なのでしょう。

全編、深夜の港町で撮影されたように見えます。ほっとする夜の静けさがありますが、たくさんの霊魂に見守られての撮影だったのだと思います。

55分なので、少しの時間で観られますから、散歩のついでにご覧になっては如何でしょうか。こわくはありませんから。

追記 2024.10.19 ( 悟って欲しい )

戦っている人にエールを送る言葉として「がんばって!」というものがあります。

昔から定番のエールですが、なにかのときに当事者から、「せいいっぱいがんばっているのに、これいじょう、なにをがんばれというのか・・・」との反論があったようで、昨今は、あまり適切な言葉ではなくなったようです。

ところで、この作品は何を言いたいのでしょうか。

私は「当事者として、そろそろ3.11を忘れたいのに、悲しみを忘れて再出発したいのに、毎年3月11日になると周囲が騒ぎ出して、悲しみを思い出させ、いつまでも忘れさせてくれない。かといって、『静かにしてくれ』とも言えないので、周囲は苦しい気持ちを悟って欲しい」なのだと思いました。

ちなみに、この作品によると、亡くなり、まだ成仏せずに地上を彷徨う人は、自分で亡くなった事を悟らなくてはいけないようです。親友だとて、それを教えてはいけない。それが後のためになるのだとか。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)




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