見出し画像

ネタバレ 映画「小説家の映画」

映画「小説家の映画」
2022年製作 92分 韓国
「日常に潜むほころび」岩井俊二監督作品を連想
2023.6.30

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

これは韓国映画ですが、開始時刻の都合がよく、上映時間も短いので観てきました。

モノクロの地味な映画です。

しかし、登場人物たちの紳士淑女的な言動に、癒されました。

この登場人物に比べると、ネット上の交流は、(私の言動も含めて)刺々しいものが目立ちます。

刺々しいは言い過ぎかもしれません。でも、癒されるものは少ない気がします。

しかし、この映画も、紳士淑女的な言動の、ところどころに、観客に不安を感じさせる、「ほころび」があるのです。

映画の冒頭の、本屋さんでの怒鳴り声がスタートでしょう(この映画の基本姿勢の宣言か)。

「ほころび」は何の記号でしょうか。

人々との交流と喜びと、感染への一抹の不安、これは、コロナ過を描いていたのかもしれません。

そして、ラストまで観て、もう一つ、気がついたことがありました。

この「ほころび」の感覚、映画の味わいは、岩井俊二監督の作品を連想させたのです。

コテコテ情念のアジア映画、葛藤の韓国映画とは、一味違う作品です。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?