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#ネタバレ 映画「東京家族」

「東京家族」
2012年作品
小津節が旨い
2019/3/26 18:23 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

この映画「東京家族」が映画「東京物語」へのオマージュなのを承知で申しあげるのですが…

歌で言えば、「カバー」ではなく「物まね」でしょうか。

失礼を承知で申し上げますと、映画「東京物語」の「物まね」を感じました。そのせいか、どこか造花のように生気がないのです。

でも…さすが小津監督の名作映画「東京物語」。たとえ「物まね」であっても、最後まで魅せてしまいました。小津節の“こぶし”が旨いのです。

しかし、私は、生気あふれる「カバー」を作って欲しかった。

SF映画、怪獣映画でも、オマージュは作れるはずですから、もっと大胆に、斬新に演出された方が良かったと思います。

とは言っても、くり返しになりますが、不思議な魅力のある、映画「東京家族」でありました。

★★★★★ ( もし映画「東京物語」が、この世に存在しなかったとしたら、の採点です。 )

追記 ( 嘘から出た実 ) 
2019/3/26 22:15 by さくらんぼ

映画「東京物語」は「戦争未亡人の哀しみ」を描いた作品だと思いますが、一般には「親不孝の子どもたちの話」だと言われているようです。

確かに、親不孝な世界も描かれています。

でも、「親の顔が見たい」、「此の親にしてこの子あり」という言葉があるように、子どもの性格の半分は、育てた親の責任だと思います。

だから、もし親不孝の話なら、映画「東京物語」も、本来は「親の性格も問題あり」と描かれていなければいけませんでした(あまり描かれていないのは、親不孝が主題ではないからだと、私は思っています)。ちょうど、育児放棄の実話をモチーフにした、映画「誰も知らない」の主題が、育児放棄ではないために、母親を悪人には描いていないように。

しかし、この映画「東京家族」では、「父の性格も問題あり」と、露骨に描かれていました。

私たちが映画「東京物語」で観た幻は、映画「東京家族」で初めて正体を現したのです。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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