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#ネタバレ 映画「藍色夏恋」〈あいいろなつこい〉

 「藍色夏恋」〈あいいろなつこい〉
2002年作品 台湾・フランス
救い
2003/9/15 9:23 by 未登録ユーザ さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

この映画の秘密はどこかで読んだはずなのに、いつの間にかすっかり忘れていて・・・

「藍色夏恋」。

この美しいタイトルに感心し、爽やかな青春映画らしいことを期待して映画館に入った。

アクション映画を観に行っても、眠くなる事が有る今日この頃。よりによって昼食に焼きそばと缶ビールを飲んでの鑑賞だった。

さらに台湾映画は、南国的なゆったりとした時間が流れている作品が多い。

だから、ふと気がつくと、目を閉じてセリフだけを聞いている自分がいた。

不思議なもので、言語が何であろうと、セリフだけ聞いていれば、何が画面で展開しているか、こんな時には理解できる気分になっているから困りものである。

目を開けると素朴な美しさのあるショートカットの少女が、ブルー、イエロー、レッドなどの光に染められた画面の中で青春を演じている。

この色使いの技法はどこか他の映画でも観た気がするが、私好みなので、すなおに嬉しい。

だんだんとビールの酔が醒め、こんどは色の酔いが染みこんできた。

画面では、誰でも一度は経験するであろう、ありふれた青春の日の、恋の一ページが綴られている。台湾の街並みがどこかノスタルジーを感じさせる。

やがて映画が中盤にさしかかった頃、思いがけない秘密が語られる。

映画の冒頭で「目を閉じれば未来が見える」と楽しそうに話す友達に、「私には見えない」と言った少女の哀しみが明かされる。

両親にも、親友にも、学校の先生にも相談できない。

その時、去ってゆく瞬間の、友達の描写が秀逸である。

しかし、この中に意外な救世主もいた。

いや、意外ではないのかもしれない。

自分の全存在を賭けてぶつかり合える者同士しだからこそ、理解し合えたのだろう。

いつの間にか私は、醒めない酔いに染まっていた。

追記 ( 映画「鵞鳥湖の夜」のヒロインがいる ) 
2020/10/2 17:11 by さくらんぼ

美しい映画「藍色夏恋」〈あいいろなつこい〉のヒロインが、映画「鵞鳥湖の夜」のヒロインであるグイ・ルンメイさんだったのですね。

そして、映画「藍色夏恋」〈あいいろなつこい〉も、色彩感覚豊かで、しかもLGBTの気配のする作品でした。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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