ラックスマン「LXV-OT10」真空管フォノイコを試聴したら、なめらかな美音でした
LXV-OT10は、厚みはあっても、しなやかで女性的な美音
昨夜、少し試聴してみました。
比較すると、①プリメインアンプA-R630Ⅱのフォノイコが筋肉質の男性的な音なら、②LXV-OT10は、厚みはあっても、しなやかで女性的でしょうか。私の試聴環境では、個性の違いは感じても、グレードの上下はあまり感じませんでした。②には、まだエージングが必要ですし、使いこなしの問題もあるでしょう。ですから私の評価は定まっていません。
ちなみに、真空管はキット付属のJJを使いました。買い足したMullardは後日のお楽しみ。オリジナルには予算内でギリギリまで性能を追い詰めたエンジニアの魂が込められているはずですので、フォノイコに限らず、オリジナルには敬意と興味を持っています。
やることは、ほぼ「金属製の箱をネジ組み上げる」だけ
この商品、キットと言っても半田も結線も必要ありません。やることは、ほぼ「金属製の箱をネジ組み上げる」だけです。だから、ネジ回しが出来れば誰でも作れます。
キットには難易度の違いがあり、これは半完成品キットの範疇でしょうが、その中でもいちばんやさしいと思います。
一見すると、複雑な電子基板もありますし、真空管もついています。さらに豪華で丁寧な冊子スタイルの説明書が付いているので、何やら、すごい工作をしたように自分でも錯覚してしまいますが、ただ箱を作っただけです。「オーディオには錯覚も含まれる」と思いますので、それで問題無いと思います。
LXV-OT10の出力をアンプのフォノ端子に繋いでしまった
1時間ほどで組みあがって、とりあえず2時間ぐらい通電・エージングしたので、いったんOFFにして、しばらくしてから試聴してみました。
そうしたら音が歪んでいます。過大入力みたい。電源をOFFにして結線を調べたら、アンプのフォノに繋いでいました。フォノイコをフォノイコに繋ぐなんて(知ってはいたが)、注意力が足りません。フォノイコをAUXに繋ぎ直して、再び試聴。そうしたら・・・
やっと音が出たが、モコモコした音。3ウエイスピーカーのウーハーだけ鳴らしたみたい
普通に音が出ましたが、何か変なのです。
モコモコした音です。3ウエイスピーカーのウーハーだけ鳴らしたみたい。中低音過多でモコモコしているのでしょうか。どうやら、LXV-OT10とプリメインアンプA-R630Ⅱとの、音の相性が良くないようです。A-R630Ⅱはトーンコントロールをフラットにしても、ラウドネスをOFFにしても、低音と高音を効かせた音作りをしているようですが、その高評価の秘密!?が、LXV-OT10の個性とは相性が良くないのかもしれません。
プリメインアンプのプリ部をスルーし、メインアンプ部に直結させるスイッチをONにしてみた
プリメインアンプA-R630Ⅱのピュア・ダイレクトを押してみました。これは、プリメインアンプのプリ部をスルーして、メインアンプ部に直結させるスイッチです。
直結させると、鮮度が上がる代わりに(クオーツに近づく代わりに)、音の肉付きが減り(ロレックスから遠ざかる)、ギスギスした骨っぽい音になる事があり、私の好みではありませんので、まず使いません。
ですが、ぜい肉感があるのでONにしてみたのです。そうしたら、ちょうど良い塩梅の、中肉中背な音になりました。とりあえず、これなら、快適に音楽鑑賞が出来そうです。
一定の成果が出た時、試しに元に戻してみると、元の方が良かったりすることもある
一般論ですが、このように一定の成果が出た時、試しに元に戻してみると、元の方が良かったりすることもあるものです。
ですから、今回も油断してはならぬと、元に戻してみたら、冒頭に書いたような評価になったのです。
「堂々巡り」というオーディオの「あるある」(わたしだけかも)
③音声信号の精度だけを考えれば、レコードプレーヤーに内蔵のフォノイコを使えば、カートリッジの微弱な信号が長いピンコードで劣化する前に増幅できるので、一番良いのでしょう。
④対して、プリメインアンプのフォノイコを使うと、その点では不利になりそうです。
⑤さらに、今回のように別売りの、外付けフォノイコを使うと、ピンコードが2本必要になりますので、さらに不利になりそうです。
気の小さい私は、精神衛生上、⑤に怯えを感じていないと言えば嘘になります。
その怯えに耐えられなくなった時、私は③に戻るのかもしれません。
そして、夢を捨てたことに後悔し始め、
このループをグルグル回り、悩み続けるのです。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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