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#ネタバレ 映画「若おかみは小学生!」

「若おかみは小学生!」
2018年作品
おっこの肩書
2020/5/18 9:52 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

映画「若おかみは小学生!」を録画して少しづつ観ています。

ヒロイン・おっこは、交通事故で両親を亡くした小6ですが、映画「セーラー服と機関銃」みたいな縁(肩書)で、5部屋ぐらいの小さな旅館の若女将になるのです。

そこに泊まりに来たのが、母親を亡くして意気消沈し、わがままを言う同い年ぐらいの男の子。

しかし、そのあまりの体たらくに怒ったおっこは、客だという事を忘れて説教するのです。すると男の子は「お前に何が分かる!」と反論しました。すかさず、おっこも反論します。「分かるわ!、私も両親を亡くしたから」と。

この「お前に何が分かる!」という感情は、誰にでも、色々な状況下で、わき起こってくると思います。言いかえれば、人に物申すときには、状況によっては肩書(のようなもの)が必要だという事です。

老若男女、そして色々なバックボーンを持った方が世の中にはいらっしゃいます。肩書を無視したら、たとえ正論であっても、相手に届かないどころか、問題をこじらすことさえあるのです。

例えば、LGBT問題をストレートが、女性問題を男性が、老人問題を若者が語るのは、いっそうの慎重さが必要だという事だと思います。

追記 ( 映画「エイリアン2」 ) 
2020/5/20 6:57 by さくらんぼ

映画の前半に「旅館では従業員は客に気をつかうが、客も従業員に気をつかう。従業員が小学生なら、なおさらだ」みたいなセリフが出てきました。

このセリフは重要な伏線でした。

中盤ではおっこが特別サービスした20代の女性が、おっこを友だち扱いしてマイカーで地元の巨大ショッピングモールに連れて行ったのです。しかし、おっこはクルマの助手席で対向車を見ているうちに事故の記憶がよみがえり、過呼吸になってしまいました。事情を聞いて謝罪し、Uターンするという客。しかし、おっこはショッピングモールへ行くように言いました。

そして、後半にあるエピソード。

家族連れの客に特別サービスしていると、そのお父さんが身の上話をするのです。なんとお父さんはおっこの両親を死なせた交通事故の加害者だったのです。その心身の傷を癒すために温泉にやってきたのでした。皮肉なことにそこの若女将が被害者のたった一人の生き残り。衝撃を隠せない両者。すぐに客は近所の旅館へ移動することになりました。

しかし、気をもちなおしたおっこは、「ぜひうちの旅館に泊まってください」と懇願します。「しかし、そう言われても、私が気を使ってしまう」と言う客。

でも、「うちのお湯はとても癒されるから…」と譲らず、とうとうそのままおっこの宿に泊まることに。

この作品は映画「エイリアン2」と同じく、「恐怖から逃れるためには、その恐怖と戦うしか方法が無い」みたいな主題なのかもしれません。

だから、加害者と被害者が正面から向き合うのでしょう。それも被害者が加害者へ奉仕するという形ですから、映画「エイリアン2」もかすんでしまうほどエグイお話なのかもしれません。

でも、それはある意味「極点」であり、通常は、リアルな人生では、やはり温泉宿に来たお客さんに気を使わせてはいけません。

おっこは過去(肩書)など語るべきではないし、知られるべきではないと思います。

客から見れば「おっこは突然現れたエイリアン」なのかもしれないのですから。

追記Ⅱ ( 因縁 ) 
2020/5/20 9:06 by さくらんぼ

なぜ、おっこの宿に、踏んだり蹴ったりと言いますか、問題のあるお客さんばかり来るのかと言えば、それは、ご承知の通りおっこ自身のせいなのです。

彼女が物置で、そうとは知らず封印されていた魔物を解放したからです。

後に魔物が、「お客さんは僕が連れてきた、ぼくは魔物だから、お客さんも一癖ある人になる」みたいなセリフを言うシーンがありました。

因縁(肩書)ですね。

追記Ⅲ ( 「老兵は死なずただ消え去るのみ」 ) 
2020/5/20 9:25 by さくらんぼ

>なぜおっこの宿に、踏んだり蹴ったりと言いますか、問題のあるお客さんばかり来るのかと言えば、それは、ご承知の通りおっこ自身のせいなのです。(追記Ⅱより)

私も会社で長い窓口経験がありますが、初心者(肩書)の頃、ふと「なぜ私ばかり難しいお客さんが多いのだろう」と思った事があります。

そんな私も中堅になり、転勤になって、経験したことのない仕事に就いた時、また「なぜ私ばかり難しいお客さんが多いのだろう」と思いました。

その時の先輩が、「〇〇君は難しいお客さんが多いね」と言ったので、やはり客観的にもそうなのだと思いました。

その後、また人事異動があり、他の係へ行くと、そこに新人さんが入りました。私よりずっと優秀な女子です。すると今度は、その「新人さんばかりに難しいお客さんが来る」のです。

「マーフィーの法則」と申しますか、「弱り目に祟り目」と申しますか、やはり世の中はそのような事があるのだと思います。

追記Ⅳ ( 映画「千と千尋の神隠し」 ) 
2020/5/20 9:34 by さくらんぼ

点数を忘れました。

映画「千と千尋の神隠し」の再来と言うか、あれほどの大作ではありませんが、画もリアルで老若男女にお勧めです。

座敷わらしみたいな者が出てくるのに、両親が夢の中にしか出てこないのは、予想外でしたが。

★★★★☆



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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