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#ネタバレ 映画 「卓球温泉」
「卓球温泉」
人が集まるとエネルギーが生まれる
2014-07-15 06:42byさくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
私が就職した頃には、たいてい、どこの会社にでも慰安旅行がありました。
「大ホテル+団体旅行」が旬な時代です。当時、若者だった私は「休日ぐらい、会社から逃げたいよ!」と思ってそれを忌み嫌っていましたが、病気にでもならないと欠席は許されない、みたいな仕事の延長的空気が漂っていました。
そんな慰安旅行も、時代遅れになったのか、いつのまにか催す会社は少なくなったようですね。
そんな近年、珍しく、とある団体旅行に参加する機会に恵まれました。中年になった今は、団体旅行は、ズバリ楽しいです。
20年ぶりぐらいでしょうか。たくさんの友人、知人たちと、一泊二日の旅行をするなんて、想像するだけでワクワクしてしまいました。
そりゃあ、団体さんで旅行をすれば、集合時間を守らない者、宴会で酒癖の悪い奴、初対面同然の人と相部屋になったり、いびきの名人がいたり…いろんな人がいて、それを嫌がる人もいますが、そういうことをひっくるめて団体旅行の醍醐味だと思っています。枕が変わって、一晩中眠れなくても、それは、あとあと、きっと懐かしい思い出になります。
ところで、その旅行、今は、ほとんどの人が浴衣を着ないのですね。つまり旅の行き帰りは私服A、旅館内では私服B、寝るときのみ浴衣になるのです。私服は二種類持って行って着替えているようです。
私の時代は、宿に着くなり、男女ほぼ全員、浴衣に着替えて、それっきりで一泊二日過ごしましたが…その、ルーズさが許されるのが温泉場のメリットだと思いましたが、今は、温泉場が許しても、客が自主規制をしているんですね。つまらない。ぜったにつまらないですよ、あれは。
ところで、映画「卓球温泉」。
私は卓球が大の苦手。
だいたい、ラケットでボールを斜め上にカットしても、ボールがまっすぐに飛ぶっていうのが信じられません。神技です。
それはともかく、この映画が好きなのは、主人公の園子が訪れる温泉街の風情です。山の温泉街。季節は新緑から初夏ごろ。緑が美しく、木漏れ日が路に絵を描く温泉街は、それだけで正気に満ち、フィトンチッドあふれ、お湯につかる前から健康になりそうです。
主題はもう一度見なければわかりません。
でも、映画「グランド・ブダペスト・ホテル」に、少しだけ似ている。
映画「グランド・ブダペスト・ホテル」は、コンシェルジュと客との間に生まれるプラスの人間関係を描いていました。
そして、映画「卓球温泉」では、温泉宿に縁あって集う、すべての人たちから生まれるプラスの人間関係を描いていたのです。
「三人寄れば文殊の知恵」とか言いますが、一人で悩むよりも、誰かに相談する方が良いのですね。
沢山の仲間を誘って、みなさん温泉旅館へ行きましょう。
★★★★
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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