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#ネタバレ 映画「四月の雪」

「四月の雪」
2005年作品
罪は誰にあるのか
2005/9/30 22:26 by 未登録ユーザ さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

事故を起こした不倫カップル、どちらがドライバーだったのかは不明のまま映画は進行します。

そのため、被害者のお葬式には、残された配偶者2人が、共に加害者の代理として、出席する事になりました。

もしも、ドライバーが判明していたら、この男女も加害者側と、被害者側に選別されたのかもしれません.。でも、そうならないので、同士愛の様な感情から、新たなる不倫感情が生まれてしまいました。

何処に行くの?
何処へ行きましょうか。

そんな会話が、どちらからともなく誘惑した事を仄めかしています。

でも、事故を起こした不倫カップルには、残された配偶者たちに生まれた、この不倫の責任は、全く無いと言い切れるのでしょうか。

「ドライバーは不明」。

これは、この不倫ドラマにふさわしいアイディアでした。

誰も不倫の恋など望みません。

しかし、気がつくと、もう始まっているものなのです。

追記 ( 人は「心の支え」を求めるもの ) 
2018/1/21 10:39 by さくらんぼ

本文を少し補足します。

この映画は、不倫していたカップルが、ドライブ中、死亡事故の加害者になり、なおかつ意識不明の重体になるというお話です。

意識不明なのでドライバーがどちらかも分かりません。

そんな状態なので、残されたそれぞれの配偶者が、加害者の代理人として、被害者のお葬式にも参列するのです。

わり切れず、悩み、苦しむ二人。

同士愛、やがて、そこから生まれる、ほのかな恋愛感情。

「レアケースの設定」と言えば、確かにそうなのですが、配偶者を病気で失いつつある人は日本にもたくさんいます。話をそう置き替えてみると、残された者の、(無意識に、心の支えを求めた)ほのかな恋愛を、単純に非難できない事が分かりますね。

それ以前に、私は「恋愛とは秘め事(ある意味、暗号)なので、二人から正直に語ってもらい、その心の軌跡を合致させないと、真実の姿は分からない」と思っています。だから、私たちの日常生活でも、どちらか一方の話だけで、あるいは噂話だけで、誰かを断罪するような事はしてはいけないと。

ところで、この映画、後半になると、意識不明だった二人の内、女が意識を取りもどしたのです。ますます話が難しくなりましたね。

追記Ⅱ ( 浮気とは「政治体制の違い」の事なのか ) 
2018/1/22 10:09 by さくらんぼ

例えが適当では無いかもしれませんが、ホロコーストについて、私が映画などで知るところを簡単に述べれば、それは「ナチスドイツが、ユダヤ人などを人間扱いせず、大量虐殺した」というものでした。ナチスドイツからは、「我々はお前たちとは人種が違う」という強い気持ちが感じられました。

しかし、北朝鮮と韓国の関係はまったく違います。

両者は戦争するほど強く対立していますが、「同一民族であるのに、たまたま分断され、政治体制が違うために対立している」のです。つまり、北朝鮮と韓国は、対立しながらも、お互いを完全には否定できない。相手の存在を否定することは、自分自身の存在を否定することになりかねないからです。

多くの韓国映画に「葛藤」が描かれている事は良く知られていますが、「相手の浮気」を責めることが「自分たちの浮気」に跳ね返ってくるという、この作品の「浮気の葛藤」も、そこから生まれてきたのでしょうか。



(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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