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少年とグライコ

中学生ぐらいだったでしょうか。ビクターの(特殊なトーンコントロール)「SEA」登載のステレオが売り出されました。

金欠少年には、ハイカットという簡易トーンコントロール登載ステレオが射程圏内。がんばっても低音・高音独立トーンコントロールは買えない。ましてやSEAは夢のまた夢。

その後、紆余曲折あって、大人になった今は、こうやって、類似製品のキットが買えました。

少年の日の夢の実現のために、とりあえず確保しましたが、こちらも、フォノイコ同様に作っていません。そして、フォノイコ同様に手放すつもりもなく、「いつか作るぞ」と積読を楽しんでいます。

こちらも真空管登載で、グレードアップも出来そう。

しかし、本当は、並んだレバーにSEAみたいな丸いツマミも付いていて欲しかった。

丸いつまみなのに、回すのではなく、上下にスライドするという意外性にも萌えていた気がします。

後付けはできるのかな。

追記 2024.7.3 ( こちらの動画もありました )

グラフィックイコライザーキット制作編! まさかの難航!? (youtube.com)

後ほど楽しみに拝見します。

追記Ⅱ 2024.7.6 ( 「音楽信号の純度」は高ければ良いというものでもない )

SEAに代表されるように、オーディオブームの初期の頃には、グライコが憧れの的でした。

しかし、やがて「グライコやトーンコントロールは音が濁る」「余分な回路はパスして音楽信号の純度を守るべきだ」みたいな思想が台頭し、トーンコントロールの無いアンプが増えて来ました。特にCDの時代になると、ご承知の通りフォノイコが不要なので、プリアンプを通さず、メインアンプ直結みたいな方法でも音楽が聴けるのです。

でも、ここら辺りで、音楽信号の純度は上がっても、音が痩せて、ギスギスして、面白くないという声も出て来ました。プリメインアンプには「上手に音に肉付けをする」という役目があったのです。そこに価値を認めれば、トーンコントロールに目くじらを立てる理由も無くなります。これは印象派の絵画や、ライカのカメラの味わいにも通じるでしょうか。

もちろん、大体において、トーンコントロールが無くても音楽は聴けます。しかし、「もう少し、この音を、こうしたい」という欲求が出て来た時には、耳障りな音を消す時にも、もっと、かぶりつきで聴きたいときにも、とても重宝するはずです。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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