#ネタバレ 映画「海のふた」
「海のふた」
2015年作品
その商いに町への愛がありますか
2015/8/13 15:21 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
海水浴って、
どうしてあんなに、
おなかが空くのでしょうね。
映画が始まったら、また少し寝てしまいました。つまらないわけでは無く、ランチでお腹いっぱいになったうえに、暗くなったからです。ほとんど条件反射ですね。
これでレビューを書いているのだから、厚顔無恥も良いところです。
と言うわけで、トンチンカンな事を書くかもしれませんが、そのときは、ご容赦ください。
ところで、この映画は「靴職人と魔法のミシン」に、ある意味似ていますね。店が町を育て、町が店を育てるところがです。
映画「海のふた」は、主人公・まり(菊池亜希子さん)が西伊豆の小さな町でかき氷店を始めるのです。糖蜜や、みかん水など、素朴な味のシロップでお客さんの心を癒していく話です。
このときに、町の構成員になろうとするのですね。町を単なる金儲けの場とは見ていない。町への愛があります。そこがキー。
その気丈に明るく振る舞うまりも、どうやら、心に傷を負っている様です。まりの店に預けられることになる、大切な人を亡くしたはじめちゃん(三根梓さん)は、どうやら、まりの傷ついたインナーチャイルドみたい。
だから、まりの元カレをすぐ見抜き、まりの部屋で眠り、まりと一緒に海水浴をする。知らない人が見たら、同性愛と誤解されそうなほど一体感がある。
この手法は、映画「さびしんぼう」でもありましたね。さびしんぼうは、いったい、だれと同期していたのでしょう。
ところで、他の登場人物たちはと言うと、
まず、まりの元カレです。彼は地元の親の店を継いでいましたが、親の代からのやりかたそのままで、寂れ行く町に同化するだけだったために、商売が成り立たなくなり、夜逃げをする羽目になりました。
もう一組は、フランチャイズ契約を断ったら「近所に同じような店を出しますよ」と捨てゼリフを残していった男です。彼は金儲けには熱心ですが、地元を利用することしか考えていない。
彼らに比べて、いちばん、まりたちが、理想的な手法で商売をしていたのかもしれません。
ネット時代です。ブログなどで、いろいろな方が新商売を始めるべく努力されいるのを目にします。この映画の主人公・まりを見たときに、彼女はネットこそ使いませんでしたが、その心意気から、みなさまを思いだしました。
私も、もう30年若かったらな…と思いました。
★★★★★
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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