#ネタバレ 映画「ぼくらの7日間戦争」
「ぼくらの7日間戦争」
2019年作品
小説「土漠の花」
2020/1/2 17:36 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
オリジナルの映画「ぼくらの7日間戦争」は、冒頭しか観ていませんので、コメントするのは失礼ですが、戦争のための理由が、オリジナルよりも複雑になっているような気がしました。その分、より大人にも楽しめるはずです。
さらには、月村了衛さんの小説「土漠の花」を思わせるようなところもあり、これが話に、さらに深みを持たせています。
今、公開中の映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を観た方には、こちらもオススメです。
対称的なこの二作品を観て、悶々としてみるもの良いかもしれません。
★★★★
追記 ( これは「集団的自衛権」の行使なのか )
2020/1/3 16:17 by さくらんぼ
このアニメ版、映画「ぼくらの7日間戦争」には、大人の事情と、子供の事情が出てきます。
(この作品)の大人の事情は、おおむね利己的なものです(あるいはお金)。
対して、子供の事情は、おおむね利他的なもの(あるいは愛)。
つまり、大人か子供かの対立ではなく、利己的か利他的かの、対立の作品なのかもしれません。
ところで、小説「土漠の花」には、自分たちの命を守るためでなく、一人の現地人女性を守るために戦う、自衛隊員の姿が描かれているようです。これは映画「ぼくらの7日間戦争」を連想させます。
追記Ⅱ ( 反戦でも戦う若者 )
2020/1/4 9:18 by さくらんぼ
反戦であるはずの若者が、玉音放送や反戦を描いたNHK朝ドラ「おしん」の描く人生観を引き継ぐのではなく、大人たちの価値観には縛られたくないと、利己のためにも戦う矛盾。
昔からそうですが。
追記Ⅲ ( 感情は否定できない )
2020/1/4 9:57 by さくらんぼ
この映画「ぼくらの7日間戦争 」では、大人は(権力の象徴か、議員さんに設定してありました)「目上の者には従うものだ」みたいなことを言って、周囲を威圧していました。
私はその大人と似たような価値観の中で育ってきたので、上下の垣根を取り払って、フラットに接する目下の者がいると、良し悪しはともかく、生理的な嫌悪感を否定できません。
逆に、ごく稀ですが、リアルで、私のような者にも敬意を表してくれる人がいると、つい感激してしまうのです。
追記Ⅳ ( ドアをノックするとき )
2020/1/4 10:08 by さくらんぼ
例えば「住民票の写し」などの申請書。
市町村ごとに様式が違いますが、ある市町村では、昔は最上段で、「あなたは誰ですか?」と問うていました。
役所にしてみれば、来庁者の申請資格を審査するのが、最初にすべきことだからです(来庁者に請求資格がなければ門前払いになります)。
だれが来庁者か分かったうえで(有資格者の審査が終わってから)、
次は「何が必要ですか?」になるのです。
しかし来庁者にしてみれば、役所では開口一番「〇〇の住民票の写しが欲しい」と言いたいわけで、自分が〇〇とどのような関係があるのかなど、問題視していない。
だから最上段には、来庁者ではなく「〇〇の住所・氏名を誤記する」人が多いのです。申請書の破棄枚数も増えます。
そのせいもあってか、住民ファーストの思想になったせいか、ある市町村では、後に、最上段には「何が必要ですか?」が置かれるようになりました。
しかし、前述したように、今でも市町村ごとにバラツキがあり、実社会でも、この思想はまだ混在しているのです。
「どんな意見があるのか」と、「おまえにその資格があるのか」。
どちらを最初に置くのかは、人によって違うのです。
追記Ⅴ ( 結局、父と東京へ行った綾 )
2020/1/4 13:53 by さくらんぼ
この戦争のきっかけは、ヒロイン・綾が、父の都合で東京へ引っ越すのを嫌がったからです。
しかし、途中色々あっても、エンドロールの後には、東京で(父よりも楽しそうに)通学する綾の姿がありました。
話の流れで言えば、父だけ東京へ行き、綾は家政婦さんと二人、田舎に残る結末もありえたのかもしれませんが、そうはならなかったのです。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)