#ネタバレ 映画「転々」
「転々」
2007年作品
お金が動けば人も動く
2007/12/1 20:53 by 未登録ユーザ さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
「金は天下のまわりもの」とか言いますが、「お金が動けば人も動く」んですね。
ラストシーンでは風に飛ばされた一万円札一枚を追って主人公が走りだしました。そして、やっとつかまえて振り返ると、あの借金取りの男は一人でさっさと横断歩道を渡って行ってしまいました。
このシーンは、モチーフを単純化した、駄目押しの一発芸だったのかも知れません。
追記 ( 何を追いかけるの )
2015/10/23 9:09 by さくらんぼ
高級マンションなどなかった子供の頃、セスナ機がビラをまいていくことがありました。上空にあるビラは、まるで宝石のように、いつもキラキラ輝いていました。
でも、飛行機を追いかけていき、やっと一枚拾ってみると、それは、なんの変哲もない、ただの紙でした。キラキラ輝いていたのは、ただ太陽光を反射していただけだったのです。
あの時からずっと疑問なのですが、どうしてビラは、空を舞うときにだけキラキラ光るのでしょう。
私がつかもうとする幸せと同じで。
追記Ⅱ ( 友情とお金 )
2015/10/23 10:01 by さくらんぼ
>ラストシーンでは風に飛ばされた一万円札一枚を追って主人公が走りだしました。そして、やっとつかまえて振り返ると、あの借金取りの男は一人でさっさと横断歩道を渡って行ってしまいました。
人が真面目な話をしているのに、唐突に「あっ!あの娘きれい」とか、まったく別の話題を持ち出す人がいますね。私もきれいな女の子は嫌いじゃありませんが、でも、あれは、気分を害します。
この映画「転々」も、もう一度観ないと分からないのだけれど、あのラストの唐突な別れのシーンは、主人公を友達にしたいと密かに思っていた借金取りの男が、警察署に、今まさに自首しようとする別れの時なのに、そんな彼を放り出して、お金を追いかけた主人公に幻滅したシーンではないでしょうか。だから、サッサと行ってしまった。
さらに、主人公も友達になってもいいかな、と思い始めていたのに、お金を拾って振り返った時、借金取りの男が去っていったのに気がついて、なにか恋人に捨てられたような気分になり、哀しくなったシーンでもあったのですね。でも、最初に捨てたのは主人公の方だったのです。
今まさに友情が生まれかけていたときに、お金が介在したために、壊れてしまったわけですね。たぶん。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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