#ネタバレ 映画「セールス・ガールの考現学」
「セールス・ガールの考現学」
おとなになるって、どういうこと?
2021年製作 モンゴル
2023.5.5
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
映画「セールス・ガールの考現学」というタイトルだけでは、なんの映画だかわかりませんが、チラシの写真を見れば、ピンク系のお話だと分かります。
これは(うれしはずかし!?)アダルトグッズ・ショップのお話です。
しかし、久しぶりにランチ後に映画館に入ったら、ドラマのクライマックスには、例によって居眠りしてしまいましたので、その辺りのデータが飛んでいます。
なので、(やむをえず)ネットであらすじを読んでデータ補完し、レビューを書きたいと思います。
私が起きていた時間には、お風呂でヒロインのおっぱいは映りましたが、それ以外は、刺激的なシーンはありません。
どなたかも書いておられましたが、やはり、これは(まじめな)少女の成長物語でしょう。
珍しいモンゴル映画なので、(草原の国という以外にも)モンゴルという国をよく知っていれば、もっと深い読みが出来るのかもしれませんが。
モンゴル映画自体がめずらしいので、見て損はありません。
ヒロインは、日本人の俳優さんにも、似た雰囲気の方が、いるような、いないような。。。
追記 2023.5.5 ( 無意識の壁 )
価値観の多様化な現代にはお叱りを受けそうですが、あえて古いステレオタイプな言い方をすれば、「大人とは仕事と結婚である」のかもしれません。
秘め事だから公には語られませんが、少女にとってのHは、無意識に大きなファクターを占める壁なのでしょう。
そう思うと、この映画が「ピンク系の就職映画」であることの意味が分かるような気がします。
追記Ⅱ 2023.5.5 ( 自分の欲望がわかりますか )
そして「画家になりたい」という自らの欲望を封印し、親の言う通り「原子工学」を大学で専攻すれば、そのような「欲望を封印するライフスタイル」をすれば、やがて、「自分の欲望が分からなくなる」ことがあるようです。つまり、ある本によると「恋愛も困難になる」とか。この映画の主題はそのあたりにありそうです。
追記Ⅲ 2023.5.5 ( 小さなバナナと、大きな筒 )
映画の冒頭、ヒロインの女友だちが、落ちていたバナナの皮に滑って転びました。ケガをしたので、ヒロインに「私の代わりにバイトをして!」と頼みます。
バナナは男根の記号なのでしょう。
それに滑ってケガをしたというのは、アダルトグッズの宅配をした時に、客の男性から襲われそうになったという意味かも知れません。
でも、それを言ったらヒロインも嫌がるから、黙ってバイトを頼んだのでしょう。
後に、ヒロインも客から襲われそうになります。「Aさんの説明をBさんを使って行う」のは、映画で時々ある手法だと思います。
しかし、ヒロインは女主人に気に入られ、熱心に引き留められたので、バイトをやめませんでした。
そのおかげで、そのショックを乗り越えて、一回り成長したのです。
私は眠ってしまい見逃しましたが、クライマックスには、アダルトグッズを使って男と遊ぼうともしたようです。
友人がつまづいた冒頭のバナナが小さな男根なら、ヒロインがラストに背負っていた絵画を入れる大筒は、大きな男根なのでしょう。
ヒロインにふさわしい、ヒロインが使いこなせる。
追記Ⅳ 2023.5.5 ( 貧乏から抜け出すために )
ヒロインの両親は貧しいスリッパ職人です。内職のように自宅で作って市場に売りに行きます。食事は毎日同じものばかり。
だから、両親は、ヒロインに(次世代の花形になると思って)原子工学の大学に、有無を言わせず進学させたのだと思います。
従順なヒロインもそれに従いました。
しかし、それはヒロインの欲望を、夢を無視する行為。
そして、不景気な日本で、子どもを公務員にしたがる親御さんが多いのを連想するお話でした。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)