#ネタバレ 映画 「トイ・ストーリー3」
「トイ・ストーリー3」
後ろにも目のある生き方
2011-08-21 10:36byさくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
クマさんのいる保育園は、逃げ出せない職場、いわゆる「タコ部屋」でした。だから脱出することが正当化されるのですね。でも、会社で新人君が雑用や嫌われ仕事(習熟していないから苦行と感じる場合もある)を担うのは、古今東西おそらく普通のことです。雑用も誰かがやらなければ係は回りません。又、多くは、その中にも学ぶことが潜んでいます。だから単純にひどい仕打ちだと誤解してはいけません。タコ部屋と、普通の会社は、区別しておく必要があります。
もし普通の会社で、新人君が「ローテーション制にせよ!」といきなり声を上げると、今度は先輩たちが「その仕事も勉強の内だし、経験済みの俺たちにとっては不公平になる」と反論するでしょう。
いきなり変な話になりましたが、これは実際に私が経験したジレンマなのです。こんな場合は、提案を一蹴するのでなければ、先輩が被害者意識をいだかぬよう、経過措置を作ることを含めて議論する必要がありますが、そもそも新人君がそれを提案すること自体、先輩にとっては歓迎されざることだと認識されることを覚悟すべきです。
映画「トイ・ストーリー3」では足の裏に書いてあるアンディの名前を読むシーンが繰り返し出てきました。世の中「上を向いて歩こう」とか「前を向いて歩こう」とか、勇ましいかけ声が飛んでいますが、足の裏ならぬ「後ろにも目のある生き方を忘れてはいけない」と、この映画は語っていたようです。これも米国らしからぬ価値観の提示でしょうね。
映画「ヒックとドラゴン」でもそうですが、行け行けドンドン!のノリではなくて、立ち止まって考えてみる、方向へ米国は舵を切り始めたのかもしれません。
★★★★
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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