#ネタバレ 映画「暗いところで待ち合わせ」
「暗いところで待ち合わせ」
2006年作品
それでもミチルを応援します
2017/8/22 14:47 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
この映画のレビューも書いたつもりでした。文章までは記憶していなくとも、考える過程で脳裏に浮かんだシーンを断片的に覚えていますから。
しかし、もう同じものは書けませんので、今回は別の方向から光を当ててみます。
この作品は、映画「街の灯」を連想させました。オマージュなのかは現段階ではまだ分かりません。
映画「暗いところで待ち合わせ」は、盲目のヒロイン・ミチルの家に逃亡者が逃げ込む話です(家は「心」の記号)。警戒しながらも、しだいに彼に心惹かれていくミチル。やがて彼は、その無実が証明されたので、家を去ろうとしますが、恋したミチルが引き止めるのです。
彼の罪の有り無しで、ミチルの態度は違ったものになりました。当然と言えば、当然ですが。
映画「街の灯」では、盲目の花売り娘が、ホームレスのチャップリンを、優しい大金持ちだと勘違いして恋するのです。やがて娘の目が治り、チャップリンの正体を知った時…。
二本の映画とも「女の打算」が見え隠れしていました。
もちろん映画「 暗いところで待ち合わせ」は、もう一度観れば感想が変わる可能性もあります。細部までは覚えていませんので。
★★★★
追記 ( 相手は「歩きスマホ」? )
2019/7/6 11:05 by さくらんぼ
ミチルが外出した時、見知らぬ男にぶつかり転ぶのです。男は助けようともせず、「気をつけろ!」みたいな捨てぜりふを吐いて立ち去りました。
白い杖を見れば視覚障害者の方だと分かるはずなのに、そんな乱暴なことを言う人が本当にいるんだろうかと、当時の私は思った記憶があります。
『 「1人で歩くな」 全盲男性、点字ブロックで通行人とぶつかり白杖壊れ、蹴られる 八王子 』
( 2019/7/5(金) 20:20配信 「毎日新聞」 )
追記Ⅱ 2023.5.18 ( 家族が障害者になって分かることもある )
亡くなった私の父は、私にもまして無学でした。そのせいもあったのかもしれません。ある日、TVを観ていて「障害者が出歩くことに眉をひそめた」のです。その当時の、父の考えでは、「ときに健常者に介助させてまで(人に迷惑をかけてまで)、障害者が出歩くのはわがままな行為」だったのでしょう。
そこから類推すると、追記で書いたような通行人がいても不思議はないと思い直しました。
ちなみに、後に、母が病気で障害者になり、タクシー乗車券などが支給されるようになると、さすがに父も、障害者に対する偏見は減ったようです。やがて父も老いて、車椅子でなければ外出できない体になりました。自分事にならないと、見えてこない事もあるのですね。
追記Ⅲ 2023.5.18 ( 「青い鳥」 )
ちなみに、ヒロインの名はミチルです。
幸福は自分たちの家の中にあった、童話「青い鳥」のヒロインと同じですね。
オマージュかは現時点では分かりません。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)