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#ネタバレ 映画「記憶屋 あなたを忘れない」

「記憶屋 あなたを忘れない」
2020年作品
善の中の悪、悪の中の善
2020/1/22 22:24 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

これは映画「三度目の殺人」と対になるような作品だと思いました。

あちらはリアルな!?、しかし絶望感のある法曹界を描いていたのだと思います。

ならば、こちら映画「記憶屋 あなたを忘れない」は、「大岡裁き」のような法曹界の誕生を、夢見る作品だったのかもしれません。

主人公の一人である大学生は、弁護士をしている先輩と組んで、人の心の迷宮へと入っていくのです。

そして、自分の正義が、いかに至らぬ考えだったのかという事を悟るのです。

★★★★

追記 ( 芳根京子さん ) 
2020/1/22 22:35 by さくらんぼ

失礼ながら正直に申し上げれば、芳根京子さんは、役者としての演技力が光る作品には恵まれていますが、彼女の魅力を十分に見せつけるような作品には、私の知っている限り、あまり恵まれていないようです。

そんな中で、この映画「記憶屋 あなたを忘れない」は、比較的健闘していた一本でした。

でも、「彼女の魅力は、まだこんなものではない」と思っています。これからも期待しています。

追記Ⅱ ( ゼロサムゲーム ) 
2020/1/23 16:34 by さくらんぼ

記憶屋に会えると噂の、展望台のような公園のベンチ。

そのような場所で、人が一人で眺めているのは、景色ではなく、過去の思い出の場合があります。

そして、ベンチの色は緑。

ヒロイン・真希(芳根京子さん)は赤・黒の服を着ています。

緑と赤は補色の関係にあり、二つを混ぜると(理論上は)黒になります。

しかし、黒のロングドレスでは地味すぎるので、黒のミニスカートにしたのでしょうか。

そして、「消したい記憶」という名の「邪気」を一身に引き受けた真希の心は、(真希が言う通り)「ぐちゃぐちゃ」になっていたのです。

黒とは、その「ぐちゃぐちゃ」でもあったのでしょう。

シャワーを浴びながら、すすり泣く真希。

私にも経験があるとは申しませんが、シャワーを浴びている瞬間は、ある意味「溺れそうな精神状態」になっており、そのせいか、心の奥底に蓋をしておいた、もろもろの苦しみ悲しみが、ふいに浮かび上がって来るものです。

そして、その苦しみ悲しみ(邪気)を、洗い流さんとして、ますますシャワーの流水(正気)にすがるのでした。

(追記)2023.2.8 いわゆる「滝行」も、この親戚のような行為かもと、どこかで書きましたが。

追記Ⅲ ( 助けるのも大変なこと ) 
2020/1/23 16:49 by さくらんぼ

気功で病を癒す場合に、気功師の正気を、患者の邪気が溜まっている部分に注入する事があります。

しかし、患者の邪気が、ときに気功師に逆流し、気功師を病ませる場合があるとの事。

輸血で、少し血が逆流したと考えれば、理解できます。

ちなみに、気功師は記憶屋ではありませんので、念のため。

追記Ⅳ ( 心を動かしたエンドロール ) 
2020/1/23 17:05 by さくらんぼ

しかし、映画のエンドロールにあの名曲がかかるとは、予想しませんでした。

あれで☆一つぐらい点数がアップしましたよ。

でも、気持ちよく聴いていたら、途中でフェードアウトしてしまったのです(もしあれが原曲でも本当の終わりならごめんなさい)。

洋画のエンドロールに鍛えられ、長いのに慣れた私に、早々のフェードアウトは意外でした。

そして、せっかく映画館まで来て感動しているのに、お尻の切れたビデオみたいな後味を残す編集は、いかがなものかと思いました。

それだけが残念…。

追記Ⅴ 2023.2.8 ( 二代目寅さんが20代の女性だったら )

もし「二代目寅さんが20代の女性だったら」というお話を、映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」の追記Ⅴ以降に書きました。お読みいただければ幸いです。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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