#ネタバレ 映画「オー・ルーシー!」
「オー・ルーシー!」
2017年作品
HERO参上
2018/5/2 17:19 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
私は男だから(私だけかもしれませんが)、女心を丁寧に描いた映画を観ても、あまりピンと来ないのです。
しかし人生には、蟻地獄と言いますか、何をやってもうまくいかない時があることは知っています。
だから、ヒロインの哀しみに、後半はほろり。
ふと、片岡義男さんの短編小説、「ハートブレイクなんて、へっちゃら」を思いだしました。
★★★★
追記 ( すでにTVで放送済み!? )
2018/5/3 8:43 by さくらんぼ
似たようなドラマを、少し前にNHK・TVでもやっていた記憶です。
詳しいことは知りませんが、どうやら、映画の公開前に、TV版を放送していたようです。もし、その通りだとすれば、異例ですね。
残念ながら、私はTV版は観ませんでした。私の好みは、夢を見させてくれる、もう少し明るいラブコメだからです。しかし映画館の暗闇では、これぐらい仄暗くても違和感なく楽しめますね。
追記Ⅱ ( 人生はお芝居 )
2018/5/3 9:17 by さくらんぼ
若いころ、人生相談した先輩が、「引っ越したほうが良い」とだけ答えました。あの時は意味が分かりませんでしたが、今は少し分かるような気もします。引っ越せば環境が変わるからですね。それが「運」を変えることもある。
引っ越しの他には、「転職」という方法もありますね。
さらに、映画「鈴木先生」でも描かれていましたが、人生を「演じる」という方法もあります。ある意味「人生はお芝居」ではないでしょうか。
映画「オー・ルーシー!」のヒロイン・東京で働く43歳の独身OL、節子は、(おそらく、若い頃は夢見る乙女だったのでしょうが)いつのまにか、それを忘れてしまった。
それだけなら、まだしも、「お芝居をすることで、かろうじて和を保ちながら会社勤めをしている同僚たちを、露骨にバカにし、敵にしてしまった」のです。
しかし、そんな彼女も、姪っ子の頼みで参加した英会話教室で、無理やりお芝居をさせられ、壁を乗り越えることが出来ました。
追記Ⅲ ( 警察官の直感 )
2018/5/3 9:35 by さくらんぼ
それにしても、英会話教室のクラスメイトが、息子を自殺で失った元警察官(役所広司さん)だったのは、不謹慎かもしれませんが、幸運ですね。
「仕事は人をつくる」と言いますが、警察官の、仕事の直感で、ヒロインが「やばい状況」にある事に気づき、犯人を追いつめるがごとく近づいて、救ったのです。
彼はその時、「無意識に警察官を演じていた」のですね。
やはり、役人は役人の目で、一生、周囲を眺めるのでしょう。
追記Ⅳ ( 節子 )
2018/5/3 15:39 by さくらんぼ
ヒロイン・節子は、いわゆる「汚部屋」に住んでいます。部屋の中がゴミ屋敷状態。これは「喪失感を埋めるため」の、無意識の行動でもあるらしい。
映画の冒頭、そんな節子はマスクをしています。もちろん風邪だと説明されており、風邪薬も飲んでいるようですが、中盤、姉により、「薬好き」であるとも言われています。薬は侵入しようとする異物を攻撃するための武器でもありますね。
そしてマスクもまた、外界を拒絶して自分の世界に閉じこもる人が、鎧として身につけるようなところもあります。
しかし、そんな「隠れひきこもり」の節子も、やはり人との交流を、深く望んでいたのでした。
追記Ⅴ ( 幸せの黄色いピンポン )
2018/5/3 15:41 by さくらんぼ
節子は、同僚たちが旅行のお土産を会社に持ってきても、食べません。甘いものが嫌いだとか。しかし本当は食わず嫌いだったのです。後半には、むしゃむしゃ食べるシーンも。
チラシに「ピンポン玉を口に含んだ節子の写真」があります。あれは英会話教室の発音練習の一コマですが、象徴的な画ですね。半ば無理やり英会話教室へ行ったことで、食わず嫌いが治り、ピンポン玉どころか、後に彼女はアレまで咥えることになったのです。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)