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#ネタバレ 映画「きみへの距離、1万キロ」

「きみへの距離、1万キロ」
2017年作品
「千手観音」になりたい
2018/5/14 18:14 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

遠隔操作で動く、クモみたいな「石油パイプライン監視ロボット」が、原っぱで老人に出会うのです。

ロボット:「どうしました」。

老人:「道に迷いました。私は目が見えないのです」。

ロボット:「私が道まで案内します」。

歩きながら話をする二人。

老人:「そのギコギコという音は」。

ロボット:「…義足で…」。

その後、老人は言いました。

老人:「黙って歩いても、近くならない。だから、(年の功の)私に何でも 質問(人生相談)しなさい」。

そしてロボットは「理想の女性と巡り合う方法」を教わるのです。

老人の答えは実に的確!?。

やがて道に出ました。

老人:「家に来て、お茶でも飲んでいかんかね」。

ロボット:「いえ、仕事中ですから、忙しいんです」。

そのとき、近くにクルマが止まり、父を探していた息子らしき男が出てきました。

あわてて、原っぱに消えていくロボット。

彼らは「話し相手がロボット」であることは、知らずじまいでした。

わりと地味な作品で、私小説を読むような感じ。

オマージュではないでしょうが、エンドロールの最初で、少し映画「トップガン」を思いだし、ジーンとしたのは私だけでしょうか。

予定通りのハッピーエンドでした。

★★★★

追記 ( 「君の名は。」 ) 
2018/5/15 8:43 by さくらんぼ

どなたかのレビューに、この映画は「君の名は。」だ、と書いてあるのを見て、妙に納得しました。確かにそんなセリフも出てきますし。

追記Ⅱ ( お金の話 ) 
2018/5/15 10:52 by さくらんぼ

彼女が彼を信用し、「逢いたい」と思うようになったのは、単に彼の優しさだけでなく、約100万円を、逃亡費としてプレゼンとしてくれたからですね。

その「金持ち効果」も大だと思います。北アフリカでの100万円は、とても価値あるはずですから。

ふと、映画「街の灯」での、チャップリンの笑顔を思いだしました。

追記Ⅲ ( 迷子からの脱出 ) 
2018/5/15 16:37 by さくらんぼ

>「私が道まで案内します」とロボット。

ヒロインには恋人がいたのに、親の決めた、それも父と同じぐらいの歳の男と、無理やり結婚させられそうになっていました。そんな折、恋人も突然、事故死してしまったのです。

ロボットを遠隔操作していた主人公は、恋人に捨てられたばかりだし、上司とはそりが合わないし、警備日報には、平和で退屈でも「脅威あり」と書かないと、仕事の存続にかかわると注意されたりしていました。

そんなある日、主人公は発見しました。1万キロの彼方に、去って行った恋人と瓜二つの女性がいることを。

その時、ヒロインも主人公も、少々ヤバイ橋を渡ってでも、現状から脱出を試みるのです。

そう言えば、あの盲目の老人も、迷子から出たがっていましたね。

この映画は、「文明の利器を使い、迷子からの脱出を試みる人たち」の映画だと思いました。

追記Ⅳ ( サンダーバードの再来 ) 
2018/5/22 9:43 by さくらんぼ

往年の人気TV番組「サンダーバード」は、「科学技術の進歩が、人間を幸せにしてくれるという夢」を語っていました。しかし、必ずしもそうではなさそうだと、人々は気づき始めました。

そして昨今、「コンピュータの進歩が人々に幸せを運んでくれるという夢」も生まれました。しかし、これは、ある意味「サンダーバードの再来」でもあるわけです。ですから、たぶん、この先にも真の幸福はない。

すると人間は、究極的には、科学ではなく、宗教にすがるしかないのでしょうか。

この映画「きみへの距離、1万キロ」でも、その辺りは承知しているようで、(宗教の手前の)「年の功」である「老人の知恵」に正解を求めていたようです。

追記Ⅴ ( 力を合わせて ) 
2018/5/22 14:36 by さくらんぼ

「 一万キロの彼方まで見通せる青年と、盲目の老人 」。

この対比、面白いですね。

ここが、話のまん中、なのかもしれません。

追記Ⅵ ( 映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」 ) 
2018/5/23 7:58 by さくらんぼ

この映画、どこか、映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」の影響を受けているような気がします。現時点では、オマージュとまでは言いませんが。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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