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幼き日に聴いたスティール・ギターの音色を求めて

小学生ぐらいの頃、叔父さんの家で、ハワイアンのLPを聴かせてもらいました。

時は盛夏、エアコンもなく、汗をかきながら、畳に置いた小さな免税電蓄で鳴らした赤い半透明のLPは、見た目が挑発的な上に、スティール・ギターの中音域がエネルギッシュに迫ってきました。

忘れられないその音を求めて、大人になってからハワイアンのCDを買いましたが、どこか音色が違うのです。

あの日に戻るために、何年か前には中古レコード店でハワイアンのLPを見つけて、確保してありましたので、今、JBL Stage A120で聴いています。

CDと同時比較したわけではないですが、LPのせいか、スティール・ギターの音色が思い出の音に近いです。

これをJBLの2ウエイではなく、あの免税電蓄についていたであろう、5センチ~10センチのフルレンジ一発のモノラルで鳴らせば、音色はもっと近づくのだと思います。

そして、箱も樹脂系であればなおさら。

さらに、あの当時の赤いLPなら、もっと似ていると錯覚させてくれたのだと思います。

オーディオにおける音色の差異には、ほんとうに違う場合と、錯覚の場合があると思います。オーディオ誌で錯覚に触れた話を読んだ記憶はありませんが、ネットの時代、オーディオ仲間の声を聞くと、錯覚の存在を感じている人も少なくないようです。

満月も、月の位置によって大きさが違って見えるのなら、音にも錯覚があって不思議ではないでしょう。




(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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