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【39話】ノミ屋【まだ人間?】
-前回の続き-
ノミ屋は古来からある公営レース博打の胴元で、地元のA市には当時サテライトという、いわゆる舟券やらなんやらを購入できる施設が無かったので、一般的には不良のシノギとして根付いていた。
俺が子供の頃にはLINEはおろか、スマホなんてものは勿論無かったので、主にノミ屋の受付は電話で行っていたもんだから、買った買ってないのトラブルも沢山あったらしい。
ルールとしては大体こんな感じ
①買い目の受付は電投締め切りの10分前まで
②払い戻しの上限は200~300万円まで
③単勝複勝は受け付けない
④外れ券には10パーセントのバックが付く
レースファンにとってはこのサビの部分が大きいので、普通にネットで購入するより遥かに得になる。しかもノミ屋というのは
「〇〇レースの〇番→〇番」を買っておいて
という、いわゆるお使いを頼まれる図式になるので、警察も単純賭博でベットする側を立件する事ができないというのがすでに判例で実在する。
そのお使いを頼まれつつ、自分でそのレースの買い目を飲み込んでしまう事から「ノミ屋」という名前の由来となっている。
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ちなみにサテライトにはこのような張り紙がしてある場合もある。
コーチ屋というのは有料で買い目をアドバイスしたりする人の事。競艇場には有名なコーチ屋も多く、殆どが堂々と商売していて、レース場自体もわりと放置している。(相場は1レースあたり100円とかのレベル)
ルールの内容を少し細かく説明すると、
電投10分前というのはノミ屋がベットを飲まずに公営に流すというリスク回避を行うタイムラグを作る為。(まぁこれをやるくらいならそもそもノミ屋なんてやるべきでは無いと思うが...)
払い戻し上限もリスク回避
単複を受けないのは控除率がそもそも低く設定されているので、サビを出しているとリターンが合わない為(厳密に言えばギリギリエッジが出るのだが、安い金額から転がされたり、集計作業が身入りに合わないと判断するのか、基本的には受けないのが慣例だ)
とまぁ、怠惰な商売と思われそうだが、G1シーズンの日曜日にもなると12レースが終わった夕方からパチパチ電卓を弾き続ける事になり、なかなか集計作業も大変だったりと、楽々と大金を稼げる商売では無いのと、何せスポーツ賭博のように等倍では無いのでリスクも中々に高いので、ソコソコのバックスタックが必要にはなるが、これも一種の大人の社交の一つとして紹介しておく。
年に数回、G1でたまに遊ぶ程度の競馬ファンは普通にPATで購入するか、ウインズで現場の熱気を楽しんだりするのがきっと健全だと思う。
ただもしこれを読んでいるあなたが競艇競輪のファンなら、ベットするレースが多い分、累積する総ベット額は相当な金額になるはずだ。
もしかしたら信用できるノミ屋を見つける事ができるとかなり得する事になるかもしれない。
僕はって?
さぁね
-続く-