青山恒夫@経営管理会計の伝道師/公認会計士/ITコーディネータ

社外CFO/(社)企業研究会等で管理会計セミナー等年間約250時間開催/管理会計を起点とする経営支援研究会を主宰し、全国約35の会計事務所等に管理会計の考え方とExcel・Tableau・PowerBIを活用したデータ可視化・分析による経営支援/

青山恒夫@経営管理会計の伝道師/公認会計士/ITコーディネータ

社外CFO/(社)企業研究会等で管理会計セミナー等年間約250時間開催/管理会計を起点とする経営支援研究会を主宰し、全国約35の会計事務所等に管理会計の考え方とExcel・Tableau・PowerBIを活用したデータ可視化・分析による経営支援/

最近の記事

Excelソルバーでシミュレーションする

Excelソルバーとは制約条件を考慮したうえでの最適な意思決定を行うための機能です。 つまり、工場の労働時間が限られていたり、機械の運転時間が限られているのが通常ですよね。そのことを無視して、売上計画などをつくっても初めから達成不可能な数字になってしまいます。  そのため、制約条件を加味して例えば最大売上高とか最大達成可能な利益をシミュレーションするのがソルバーです。  具体的に簡単な設例を元にソルバーの使い方を観てきましょう ソルバーの設例  次のようにA社はx製品と

    • フィードバックコントロールからフィードフォワードコントロールへ

      フィードバックコントロールが続いてきた  従前は経営管理はPDCAサイクルをもとに、計画を立てて、計画に基づき施策を行い、施策の結果と計画の差異を事後的に検証する手法が用いられてきました。 AI回帰分析による将来予測の時代に  しかし、AIによる将来予測が実用化すれば、そうした計画vs実績という過去の施策効果を検証するというのではなく、例えば6月の計画と予測を比較し、6月は予測値が大幅に下回るから4月のいまの段階から、リカバリーの手を先行して打っていかなければならないと

      • SNS活用で個人と個人の物物交換&三者間取引をつくる

        1.個人対個人の取引の増加  前から信じていることですが、これからますます個人と個人との物物交換(もちろん無形のものも含めて)。  なぜなら、お互いに面識があり、信頼関係がある個人と個人とであれば、自分が知りたい個別の状況を置いた設定で、いちばん深いかつ不確実性(ゆらぎ)のある情報も伝達しあえるからです。  逆に言えば、信頼関係がないような、あるいは不特定多数の人に対しては不確かな情報は発信できません。発言や情報が文脈なしに一人歩きしてしまうと思わぬリスク招く可能性が高くな

        • 変動収益の固定収益化を狙う

           私のビジネスのうち、管理会計研究会という主に会計事務所を顧客にした有料会員制の勉強会、学校法人監査報酬、税務顧問先報酬、企業研究会でのセミナー報酬は多少の凸凹はありますが、収入額があらかじめ決められている「固定収入」です。  固定収入ですので、2022年分の固定収入の額は予測できます。そして、固定収入が決まると固定費用も予測できますので、利益やキャッシュフローも固定化されてきます。  そして、固定キャッシュフローという予測可能なお金で自分のビジネス基盤を支え、そこで余剰

          経営管理会計用のExcelツール

          こんにちは、会計士の青山です。 今回はExcelの経営管理会計で使える機能・ツールをご紹介していきます。  経営管理会計用のExcelのツールには次のようなものがあると考えています。 (1)データ可視化  ・テーブル、フィルター   例えば販売データをいくつの条件(例:関東地域、売上高1000万円以上)を満たす顧客を割り出します。  ・ヒストグラム   平均値では全体の分布が見えないため、全体の分布状況を把握するためにつくります。  ・マトリックス   BCGのPPMモ

          好循環をつくる

          こんにちは。会計士の青山です。  じつは好循環という言葉も意識するといいと思っています。  好循環とは、要は結果やアウトプットを「次に繋げる」ように意識し、できれば設計しておくことです。  例えば、セミナー講師であれば、  ・参加者と名刺交換をして、こちらからメッセージを発信できるようにする  ・参加者に講師のyoutubeチャンネルをお知らせし、リマインドを起こさせる  ・セミナー事務局でセミナー修了後に、次のセミナー開催時期を決める、または別のセミナー企画を行う。

          会計人の仕事

          こんにちは。会計士の青山です。  会計人の果たす役割とは  会計人に求められる役割は相手によって異なります。経理課長相手では正しい会計処理を支援できることですが、経営者相手では次のような質問への答えが求められます。 ・今の世の中、どんな業種が儲かっているのか? ・うちの会社どう(かなり漠然です。。) これを翻訳すると、  うちの会社の儲かり具合は評価できる方か。  うちの会社の問題点、リスクをどう考えるか  うちの会社、この時代に何をすれば良いのか  監査法人時代も思え

          <タクシー会社の売上データを見て考えたこと>

          こんにちは。会計士の青山です。 <タクシー会社のデータ>  昨日は顧問先のタクシー会社を訪問してきました。売上状況をExcelで月別・曜日別とみていて、社長に「火曜日が売上が少ないようですね」と私が言ったところ、社長は「うちは腕が良い奴が出社するかしないかで日々の売上は全然違うんですよ。だから曜日別でなんとかは言えない」と答えてきました。  この言葉の真偽は後にしてここで私が感じたことや考えたことを書いてみます。 (1)小売業とサービス業の違い  小売業は一般に有形のモノ

          <タクシー会社の売上データを見て考えたこと>

          広告効果をExcelデータテーブルでシミュレーションする

          こんにちは。会計士の青山です。 Excelの「What-if」分析の「データテーブル」を使えば簡単なシミュレーションを行うことができます。  モデルの設計  シミュレーションの目的は「広告費はいくらまでかけられるか」です。  そのために計算式(モデル)を設計します。  このモデルの前提条件は次のものです。 ・会計事務所の新規集客が前提 ・顧問報酬は月3万円とする ・変動費用は20%として、限界利益率は80%とする ・顧客とは3年間、顧問契約が続くとする ・広告費は増加収

          広告効果をExcelデータテーブルでシミュレーションする

          数字は分割し、小さく考える

          年間500万円の利益が足りない  いま自社の利益が年間500万円足りないとしましょう。500万円というとなかなかの金額となります。  しかし、社員が20名いるとして、500万円÷12ヶ月で約40万円。1ヶ月の稼働日が25日とすると、1人が月16,000円の利益を12ヶ月稼ぎ出せば良いことになります。  だいぶ、達成しなければならない壁の高さが違うのではないでしょうか。 1年で1000㎞走れと言われたら 1年で1000㎞走れと言われたら、まずは無理~と感じるでしょう。しかし

          リスクを抑え、リターンを増やす

          こんにちは。会計士の青山です。 リスクとリターン  よく、「ハイリスク&ハイリターン」と「ローリスク&ローリターン」という言葉を聞きます。しかし、これだけで少し茫洋すぎると感じます。  例えば、宝くじですが、単純な表現をしますと、少額購入であれば「ローリスク&ローリターン」、しかし高額購入であれば「ハイリスク&ハイリターン」となるように、リスクとリターンを考える際には投資額を前提した上で考える必要があると思えるのです。 リターン=投資額×収益率で考える  そこでリターン

          値引きは命取りになるという理由

          こんにちは。会計士の青山です。 値引きの影響  日本の事業者は業績が良くなくなってくるとともすれば値引きに走りやすくなります。。値引きに走る気持ちはわかります。1000円の商品を20%値引いて売れれば800円のお金が入りますから、お金が欲しいと心の底から叫んでいる人は値引いてでも販売するしようとするでしょう。  しかし、値引きができるのは大企業だけであり、中小企業以下の規模の企業はなるべくなら止めた方がいいという話を今週のセミナーで話しました。  それを具体的に表として

          原価は一つではないという事実

          こんにちは。会計士の青山です。 正しい原価はあるのかが御題  今回は、原価について書いていきます。原価のテーマもいろいろありますが今回は「このパソコンの原価は○○円」、「この机の原価は××円」というような言い方が日常的によく行われますが、そうした表現は正しいものではないですよという話をしていきます。 ラーメンの原価で考えます  それで具体的な題材があった方が良いのでラーメンの原価を考えてきましょう。ラーメンの原価を考えていくとまずは麺(セット)があります。この麺の原価の特

          儲かるとは何だろう

          儲かるとは  「儲かる」という言葉は日常でもよく使いますが、「儲かる」とはどういう意味でしょうかと言われたらどう答えるでしょうか?  私は「利益を上げることを通じてお金が増えること」を儲かると定義しています。  要はお金が増えることが最終的には大事で、そのために利益が上がらなければならないという考えです。  以前は儲かるとは利益があがることと考えられていたように思えます。しかし、売掛で100万円売り上げれば利益が増えますが、その売掛金が回収されない限り、給与は払えないし

          資金管理の指標

          こんにちは。会計士の青山です。 資金管理の指標をどう算式化すればいいかについて、自分なりに次のような算式を考えてみました。 資金予測額 (1)3ヶ月先までの資金予測  現金預金残高+営業CF今後3ヶ月分-借入金今後3ヶ月返済額-未払金今後3ヶ月返済額-消費税今後3ヶ月以内納付額 (2)6ヶ月先までの資金予測  現金預金残高+営業CF今後6ヶ月分-借入金今後6ヶ月返済額-未払金今後6ヶ月返済額-消費税今後6ヶ月以内納付額 (3)12ヶ月先までの資金予測  現金預金残高+

          <東証の再編区分から考えること>

          こんにちは。会計士の青山です。 2022年4月4日、東京証券取引所の1部、2部、マザーズ、ジャスダックから成る市場区分が廃止され、新たにプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編されます。  この期日までちょうど7ヶ月です。  東証の市場区分の再編、東証のDX銘柄、DX(経産省)、企業統治(コーポレートガバナンス)、SDGs、そしてイノベーションという用語を繋げてみると面白そうです。  それらの言葉と共にCSV(Creating Shared Value/共通価値の創造