文具沼へようこそ
事の始まりは益子焼に関わるようになってから。作ってくれた人の顔が見れる物を使いたい。安く済ませられるものも良いけど、壊れやすい。"良い物を長く使う中で、経年変化を楽しみたい”と思うようになりました。
食器、陶器、カメラ、カメラ周囲のガジェットなどなど。
長く使えるものを、少し高くても選んで来ました。今年はその対象がどうやら「文具」になりそうです。
本日は少しだけ、文具の世界をご紹介。気になったら是非足を運んでみてください。
⬛︎オーダーノート/カキモリ (蔵前)
蔵前は元々陸の孤島と呼ばれていたほど、上野という立地に対して穏やかな地域であったと。これは上野在住の友人談。そこが10年前くらいから焼き菓子や、元々革製品で有名だった事を筆頭に徐々に盛り上がってきている、そんな地域だそうで。
気になっていたオーダーノートを作って来ました。
表紙は革、裏表紙はシンプルな厚紙に。角金が可愛かったので銅のものを選択。そして憧れの紐じを。
中紙はハトロン紙、選挙紙で有名なユポ紙、透かしが綺麗はフールス紙に。
もう愛着がすごい。皮の表紙は育つかな。高いけど、中紙はカキモリさんで交換してくれるのでこの一冊をずっと使える。こういうの。こういうのが欲しいの最近。
⬛︎PLOTTERの手帳
高いやつ。高かった。最初に見た時は誰が買うねんと思った。買った。私です。私が買いました。すみませんでした。
「皮は育つ」よく聞く言葉だったけど、特に興味が無かった。でも百聞は一見にしかず、体験したら人の考えは容易く変わるのですね。
手に取ればわかる、良いやつやん...初手、上野文具で見た時は「高い」としか思わなかったんだけど、高いから壊れても保証が付くし、直してくれる。修理ができる。長く使い続けていける。すごいやん!!!YouTubeを見てると10年くらい使っている人もいる。すごいやん!!!買う!!!
まんまと購入。クリスマスプレゼントだから良いよねという免罪符と共に我が家にやってきた。2冊に増えている?そうなんです。新年という名の大安売りに煽られもう一つお迎えしております。
とりあえずいつも持ち運んで、買わなきゃいけないものとか一日のスケジュールとかをメモしてる。一日のスケジュールを書いたとてそれ通りに進んだ試しが一度もない。人生は思い通りに行かないものだね。楽しいね。そんな手帳です。
⬛︎篆刻ワークショップ
篆刻?簡単に言えば石を掘ってハンコを作るやつ。思えばこのあたりから文具沼が加速して行った気がする。この人に引きずりこまれた。こわい。
知人である書道家、赤羽根義貴さんの書道展を友人と一緒に見に行った際に会場で「ハンコ掘れますよ」と。意味不明。でもその意味不明さ、嫌いじゃない。1個500円で石を削れるの???やってみよう!という軽い気持ちで友達とやいのやいの騒ぎながらワークショップをさせて頂きました。
石を彫刻刀でゴリゴリ削るのけっこう難しいのだけれど、ちゃんと先生がいてくれたので安心してやりすぎる事ができました。イケ優兄ちゃんでしたね。一緒に行った友人は求婚してました。
友人が掘った左の「あ」、右は私が掘った甲骨文字の「山」。印泥という朱い泥を捏ねたものを朱肉として使い、判を押した瞬間もう好き。かわいい。愛着わいちゃった。使う、長く使いたい。何かある度に押そう。
そう決めて、大事に大事に包まれて持ち帰ってきました。手のひらより小さい、指くらいのオリジナル判子。かわいい。大事にする。
⬛︎オリジナル万年筆/アンコーラ(銀座)
「祖父が使っていた万年筆を受け継いでいます」
という一文を見つけた。目を疑った。え、何年使ってるの???10年どころの騒ぎじゃないよね???と。長く使う事に興味をそそられている今だからこそその一文が響いて、そこからです、万年筆に興味が出てきたのは。
そもそも万年筆は高けりゃ良いとは全く思っていなくて、自分は万年筆だったら sailor の筆DE まんねん(これは間違いなく良品)が最高だと思って使っていて、そんな筆DE まんねんがオリジナルカラーで作れる場所があるらしいと情報を得てやっとこ行ってきたのが銀座、アンコーラ。
好きな色を組み合わせて万年筆の持軸が作れて、その上でニブを筆DEまんねんにできると。それにするしかない。流行りに合わせてかわからんけどくすみカラーを筆頭にクリアカラーもチラホラあってどれにしようか
30分くらい平気で迷ってしまった。
結局アボロみたいな色が気に入ったのでアポロみたいなピンクを軸に作成、無事にオリジナル筆DEまんねんを手に入れる事ができました。
書きやすい...筆DE まんねんに出会ってなかったら万年筆持たなかったと思うので、感謝感謝です。
【あとがき】
そんなこんなで長くなりましたが、一緒に文具沼に落ちたはずの夫は先にさらっと沼から出ており、澄ました顔をしています。
私は沼から上がる事が出来なかったので、それを見かねた一抜け夫がクリスマスにガラスペンやらインクやらをプレゼントしてくらるというさらに沼の深淵へ押しやってくる後押しがあって今です。
おかげで楽しい2025年になりそうです。首まで浸かって文具を楽しもうと思います。