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置き引きにあったはなし

5月の頭に置き引きにあった。
私は友人と写真や動画を撮ろうと公園に出かけて、ベンチに荷物を置いた。
10mくらいしか離れてなかったことや、いつも来ている公園であること。
元々の気持ちとして、私は人を疑うことがとても苦手なので物盗りという人が本当に存在するのだとあの日まで思っていなかった。

映像、(2、3分のもの)を撮り終えて荷物を取りに行ったら私のかばんだけなかった。
その瞬間も私は盗られた、とは考えていなかった。
ここに置かなかっただろうか、または鞄などがベンチに置いてあったから親切な方が落し物だと思われたのかもしれない、と思った。
友人に鞄がない話をして、とりあえず入口の売店に落し物が届いていないか聞きに行った。
友人は冷静で、私がまだ物盗りにあったことを実感しないうちに物盗りにあっただろうことを考えてくれており、自分のiPhoneで私のiPhoneを探してくれた。
私の鞄にはiPhoneが入っていたので、iPhoneを探すで私の鞄の足取りを追えたのだ。
そうすると明らかに駅に向かっている風にその印は動いており、私はここでようやく自分が物盗りにあったことに気付いたのだった。

近くの交番でお巡りさんに相談して、被害届を書いた(3時間かかった)
iPhoneを探す、を起動させ続けていたのに、物盗りの方は私のiPhoneの電源を切らなかったのでバスで移動したことや住宅街に移ったこともわかった。
私のiPhoneはここで電池が切れた。iPhoneは友人が紛失モードにしてくれた。

盗られたものは色々ある。
鞄本体は母が買ってくれたものだし、財布はSanrioだがニャニィニュニェニョンというキャラクターが久しぶりに出したグッズで気に入っていた。安物だがポーチはswimmerだったのでもう手には入らない(swimmerという人気の雑貨ブランドは残念ながら2017年12月末に閉店した)気に入りのリップは廃盤のカラーだし、買ったばかりのピアスはまだつけていない。

カード類は全て再発行して、多分もう帰ってこないんだろうなあと思いながら、どうしても返して欲しいものがある。

障がい者手帳だ。
私は昔から持病があり何年も薬を飲み続けていた、多分一生薬を飲むんだと思う。
長年そうした病気で通院していた私がようやく発行できたものだった。自身が普通じゃないみたいで、持つのを嫌だと思ったこともある。
それでも自分の病気や長年の闘病を自認してあれを出すことを恥ずかしいと思わなくなった頃だった。
これは私の身分証だった。また、戦歴でもあった。
障がい者手帳は、そう簡単に再発行してもらえない。
手続きをしたがふた月ほどかかるようだった。


盗ったひとが得たいのは多分金品なのだと思う。
でもわたしが失ったのは金品だけじゃない、わたしが返して欲しいのは金品じゃない。
わたしのPCは今もわたしの失ったiPhoneが最後に示したアパートを表示していて、絶対に忘れてやるものか、と思っている。

#日記 #覚書  #置き引き #好きなもの


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