はじめての一人旅のはじめての目的地
完全に間違えた。世界一くらげがたくさん見られる水族館が賑わう中、まだ一時間以上来る予定のないバス停のベンチに腰を掛けた。
思えば人混みが苦手な性格なのに、連休初日に水族館に一人で足を運ぶことは愚行であった。家族連れやカップルが集う水族館を選択した時点でこの結果は想定できたはずだ。きっと人生初の一人旅を、目的もなく、ただただ旅行代理店に勧められたルートをたどるだけの、規模の大きいスタンプラリーのように計画してしまったことが事の発端だったのだ。
「帰りたい。けど帰ってしたい