炭鉱を掘り続けた者のブルースを歌う
Joe Henry"Blood From Stars"(アメリカ/2009)
稀代のSSW/グラミー賞プロデューサーが挑むブルース・アルバム!アーティストとして20年以上のキャリアを誇り、プロデューサー/ソングライターとしても、エルヴィス・コステロ、エイミー・マン、マドンナらのプロデュースを手がける才能あふれるミュージシャン、ジョー・ヘンリー。ロック、カントリー、フォーク、果てはトリップ・ホップ、ジャズ、ソウルまで、幅広いスタイルを自在に操るジョー・ヘンリーだが、近年2作のプロデュース・ワークであるアラン・トゥーサン、ランブリン・ジャック・エリオットに影響され、11枚目でなんと新機軸のブルースに挑戦!“都会的”、“洗練”といった彼のトレードマークを捨て、本人も「もっと感情がストレートに伝わる、荒削りで、未完成な良さがある作品」と称する作品が完成した。
「ウィークエンド・サンシャイン」を聴いていて『 MINAMATA ミナマタ』のユージン・スミスがジャケット写真に使われているというので、聴いてみたらもろユージン・スミスの写真のような世界をブルースにして、歌っていた。
ジョー・ヘンリーは、アメリカのルーツ・ミュージックと言われるブルースやカントリーを自ら歌うだけではなく、プロデュースもしている人。そんな人脈からか、このアルバムにマーク・リボーが入っていた。ジャズ・テイスト溢れるアルバムで、トム・ウェイツと似たようなサウンドだがもう少し都会的かな。
声の荒々しさは、ダイレクトに伝わってくるモノクロのユージン・スミスの写真に似ている。メッセージ性の強いアルバムなのだろう。夜中に聴いていると妙に突き刺さってくるサウンドだ。
サックスを吹いているのは、Levon Henryは息子さんだそうだ。